2023年の映画⑫『君たちはどう生きるか』(宮崎駿 監督)
★★★☆☆3.5
★★★☆☆3.5
映画館にて。
評判通り、「うん、わからん!!!」なんだけど、
事前に予測していたほど支離滅裂ではないし、
あえて説明していないだけで、
ちゃんと設定はあるのだろうな、と感じた。
序盤の不穏な空気、わくわくするような世界観も
たいへんよかった。
以下、ネタバレ注意。
ジブリ映画特有の「醜さ」がちょっと苦手なんだけど、
ポスターのかっこいい鳥の正体が、
醜いおっさんだったのは、微妙にショック。
父親が死んだ母親そっくりな叔母と再婚して、
すでに叔母が妊娠している、という序盤。
それに対する主人公の感情がはっきり描かれないので、
後々に重要になってくる「主人公と叔母の間にあるもの」が
わからない人には本当にわからないだろうなと思った。
男女のことを知りつつあってもおかしくないうえ、
まだ母の恋しい年齢である「少年」の主人公、
そして姉の子どもを継子として受け入れなければならない叔母の
間にある葛藤。
父親が、「悪人ではないが、いけ好かない金持ち」であるのも
面白い設定。
正直に言うと、途中から
「早く終わらんかな」
「長くない??」
と思っていたので、
「面白かった」とは言いがたいんだけど、
好きなムードではあった。
ジブリの映画、個人的な印象としては
わかりやすいエンタメとして楽しめたのは『耳をすませば』の頃までで、
その後の作品については「めっちゃ面白い!」とは思わないんだけど、
とにかく圧倒的なムードの良さで楽しめる。
白くて丸いワラワラも可愛い。
タイトル、吉野源三郎の本とはまったく関係ないのだと思っていたが、
本自体は話の中にちゃんと出てきた。