金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

53:恩田陸 『訪問者』

2010-04-24 10:42:03 | 10 本の感想
恩田陸『訪問者』(祥伝社)
★★★☆☆

三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家・朝霞千沙子が
管理していた山中の山荘。
千沙子に育てられた映画監督・峠昌彦が急死したのを
きっかけに、山荘に朝霞家の一族が集まった。
山荘を訪れた井上が、昌彦の遺言を公開する。
「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」
孤児だったはずの昌彦は、自らの父親が
朝霞一族の中にいると考えていたらしい。
そんな中、雷鳴とどろく山荘の外で、ある男が絶命していた。

*****************************************

恩田陸の作品にしては比較的結末はすっきり?
でもそれが逆に、物足りないような信じられないような。
千次以外の兄弟に特徴がなく、「これだれだっけ?」と
思っているうちに終わってしまった。

恩田作品に出てくる女性は、最初気弱そうに見えても
存在感が薄くても、「絶対なにかある」と疑ってみてしまうなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

52:石崎洋司『黒魔女さんが通る!! PART2 チョコ、空を飛ぶの巻』

2010-04-23 16:25:08 | 10 本の感想
石崎洋司『黒魔女さんが通る!! PART2 チョコ、空を飛ぶの巻』(講談社青い鳥文庫)
★★★★☆

内容の薄さを考えると買い揃える気にならないのだけど、
これ、おもろいな……。

人間界のサブカルチャーに精通しすぎたギュービッドに吹く。
麻倉くんがまるで少女マンガのヒーローのような
王子っぽい書かれ方なのに対し、
「ますますぶきみなやつ」でチョコに片付けられている
東海寺くん。
イラストの顔はやたらかわいいのにな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

51:石崎洋司 『黒魔女さんが通る!! チョコ、デビューするの巻』

2010-04-22 22:02:05 | 10 本の感想
石崎洋司『黒魔女さんが通る!! チョコ、デビューするの巻』(講談社青い鳥文庫)
★★★★☆

青い鳥文庫で人気らしいシリーズ。
運よく一巻読み進めていけることになったので、
読んでみました。
「学校の怪談」風コメディといったところ?
後から「どんな話だっけ」と思い返すと
すぐに内容が出てこないのだけれど、
読んでいるそのときは単純におもしろく楽しめる。
作者は
「Fragile―こわれもの」
『チェーン・メール―ずっとあなたとつながっていたい』
の人か。雰囲気のちがいにびっくり。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

50:乙一 『銃とチョコレート』

2010-04-17 10:10:48 | 10 本の感想
乙一『銃とチョコレート (ミステリーランド)』(講談社)
★★★★☆

父を亡くし、母と貧しい生活を送る少年リンツ。
リンツの住む国では、戦争で財をなした家から
金貨や宝石が盗まれる事件が多発していた。
犯人としてマスコミを騒がせているのは怪盗ゴディバ。
ある日リンツは、父の形見の聖書の中から
手書きの地図を見つけた。
地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎっていると
確信したリンツは、子どもたちのヒーロー・探偵ロイズに
知らせるべく手紙を出すが……。

**********************************

「おもしろい」というより「うまい」作家さんだなあ……
という印象が強かったのだけど、これはおもしろかった。
二転三転するストーリーに、
読む子どもの心を傷つけるであろうシビアな人間観、
織り込まれたユーモア。
「あ、これは後から説明される伏線ね」と
わかるような書き方なんだけど、ちゃんと回収して
意外な展開に結び付けられています。

しかし、挿絵が怖すぎる
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

49:阿部夏丸 『父のようにはなりたくない』

2010-04-16 12:02:14 | 10 本の感想
阿部夏丸『父のようにはなりたくない』(ブロンズ新社)
★★★★☆

タイトルから、ぐちゃぐちゃしたシリアスな親子のいざこざを
書いた話なのかと想像していたのだけど、
親子の形を描いたハートフルな短編集でした。
ものわかりがよすぎて、やや理想的にすぎる?
という感じもあるのだけど、
親の視点から見た子どもや夫婦の姿が描かれていて、
読むとほのぼの。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

48:藤井旭 『星座大全 春の星座』

2010-04-14 23:50:11 | 10 本の感想
藤井旭『星座大全 春の星座』(作品社)
★★★★★

購入。
詳細は「冬」「秋」の巻のところに書いたので割愛。
春の巻では、「失われてしまった星座たち」のほか、
「北京古観象台」「古典望遠鏡」
「プラネタリウムの楽しみ」のページもあり。
このシリーズはやはり、絵画や星図の紹介が
充実していてそこが良い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

47:関口尚 『パコと魔法の絵本』

2010-04-10 22:17:42 | 10 本の感想
関口尚 『パコと魔法の絵本 』(幻冬舎文庫)
★★★☆☆

甥っ子の嫁が婦長として勤める病院に
入院させられた傲慢で偏屈な大富豪・大貫は、
変人ばかりが集う病院に苛立つ毎日。
絵本好きな少女パコと出会った大貫は、
彼女の事情を知らないままに勘違いからパコを叩いてしまう。
パコは事故の後遺症で一日しか記憶がもたなかった。
改心した大貫は、彼女に特別な思い出を残そうと
病院のメンバーにある計画を打ち明ける。

***************************************

先に映画のほうの宣伝を見て、ファンタジーだと思ってたわ。
しかも原作がこの人だったとは、予想外。
先日テレビで放映していたのを機に、先輩からお借りしました。
いいお話。
いいお話なんだけど、大貫がころっと改心したのが
どうにも納得いかず……。
もともとが舞台の台本だったのを小説家したものだそうだし、
映像のほうがその気持ちの変化もすんなり表現できたかも
しれないなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

46:三浦しをん 『風が強く吹いている』

2010-04-10 11:11:41 | 10 本の感想
三浦しをん『風が強く吹いている』 (新潮文庫)
★★★★★

高校時代のある事件がきっかけで陸上競技から
遠ざかっていた走は、万引きして逃げている最中、
同じ大学の清瀬と出会う。
走は、清瀬の紹介で彼の住むボロアパートの
十人めの住人となったが、
清瀬は「十人集めて箱根駅伝に出る」という計画を
胸に抱いていたのだった。
走はいやおうなく、同じアパートに住む八人と同様に
清瀬の計画に巻き込まれることになる。

****************************************

時間のなかなか取れない中、
この厚さにはなかなか手が出ない……と思っていたのと、
ボーイズラブ臭がするかも……と恐れていたのとで、
放置していたのだけど、ようやく昨晩読み始めました。
「スポーツはそんなに甘くない!!」という意見も
あるでしょうが、現実にはありえないことが可能になるから
小説はおもしろいと、そう思えるお話でした。

ソフトカバーの単行本のほうが、カバーデザインは好き。
これすでに映画になってたのか。知らなかった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

45:沢松奈生子 『テニス入門』

2010-04-09 19:29:46 | 10 本の感想
沢松奈生子『テニス入門 (きみもチャレンジ!ジュニア入門シリーズ)』(岩崎書店)
★★★★☆

試合を見に行く前に予習として読んだのを忘れてた。
なにしろわたしのテニスの知識は、
宮本輝の「青が散る」のほか、
「エースを狙え!」、「しゃにむにGO!」、
「テニスの王子様」(←これはテニスではなくファンタジーか
等のマンガだけで成り立っているので、
ルールもろくに知らないのでした。
自分でやるつもりがないので、
ショットとかはいまだにさっぱりなんだけど、
子供向けらしくわかりやすい。
著者のツアー生活のエピソードがおもしろかったな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

43・44:藤井旭『星座大全―冬の星座』『星座大全―秋の星座』

2010-04-09 00:21:00 | 10 本の感想
藤井旭『星座大全―冬の星座』『星座大全―秋の星座』(作品社)
★★★★★

写真だけでなく、星座絵図や神話をモチーフにした絵画も掲載。
コラムも充実していて、内容がぎっしり詰まってる。
「失われてしまった星座たち」はこれまでに読んだことのない
切り口で新鮮。
類似書の中ではダントツにおもしろかった。

お値段一冊2800円。
春・夏・秋・冬で全4巻。
値ははるけれども、1万強、出してやらあ!と思えるすばらしさ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする