金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

207:河村恵利『時代ロマンシリーズ 5 夢の浮橋』

2023-09-10 23:02:53 | 23 本の感想
河村恵利『時代ロマンシリーズ 5 夢の浮橋』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
この世とあの世の堺には橋が架かっていて、橋姫が住むというが…。
珠玉歴史ラブロマン集!!
 
****************************************
 
河村先生、本当に茶々のこと好きなんだね……
 
多くがそれぞれにパラレルワールド的に
存在している物語だと理解しているけれど、
ここまで茶々に恋する男の話が多いとさすがに食傷気味。
でも、気持ちはわかる。
史実の彼女からして、
 
「絶世の美女と言われたお市の娘で、信長の姪。
 唯一の秀吉の跡取りを産み、三回の落城を経験して、
 妹の嫁ぎ先によって滅ぼされた」
 
と、三姉妹の分かれた命運みたいなものも含めて、
設定とエピソードが盛り盛り。
題材として非常に魅力的なのだ。
 
このシリーズ、秀吉の描き方が好意的なのが特徴なのだけども、
さすがに秀次がらみでは好意的な解釈は難しいね……。
茶々の魔性の描き方は「いかにも」ではなくてとても好き。
 
更科姫、オリジナルの味付けなのかと思ったら、
歌舞伎が元ネタなのか~! 教養~!!
 
【収録作品】
 
「夢の浮橋」現代 宇治の橋姫
「帷子の舞」森蘭丸(成利)と茶々
「異聞 紅葉狩」森長可と更科姫
「地獄ヶ淵」豊臣秀次と茶々
「宵待行列」豊臣秀吉と茶々
 

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203-206:最近読んだ本(記録だけ)

2023-09-10 22:33:31 | 23 本の感想
いしかわゆき『書く習慣』

 

『全国 名水めぐり』

 桑原奈津子『かわいいもの甘いもの』

 『ホテルクラシカル猫番館 横浜山手のパン職人 ホテルクラシカル猫番館  横浜山手のパン職人』

 

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198-202:最近読んだ本(小学生の読書感想文向け)

2023-09-08 08:38:50 | 23 本の感想
村中李衣『体育がある』
 
読みやすいお話だけど、これは意外に、
物語として書かれていることを
子どもが正確に読み取るのが難しいのかもしれないと思った。
「主人公がどうして変化したのか」を単純明快に
説明することができないから。
作品の内容と微妙にズレた感想が出てきそう。

 横田明子『ライスボールとみそ蔵と』
 
今年の青少年読書感想文全国コンクールの
小学校中学年の課題図書。
個人的にはおもしろいとは思えないのだけども、
・家業を好きになれない
・嫌いな食べ物がある
・外国の人や食文化との出会いを経験したことがある
という子は感想文を書きやすいかも。
 

 山本悦子『先生、感想文、書けません!』
 
感想文を書けない子が、物語を創作しようとするか??
という不自然さが気になってしまった。
でも、同じように感想文を書けない子、
感想文を書く意義を見いだせない子には
感じるものがありそう。
 

 
本田有明『願いがかなうふしぎな日記』
 
これは、読書感想文を書きやすいと思う。
テーマが明確だし、おそらく誰が感想文を書いても、
テーマから脱線することなく、
大人受けのいい、おさまりのいい感想文を書けるはず。
 

 

横山充男『牧野富太郎: 植物の神様といわれた男』
 
朝ドラの影響で、牧野富太郎関係の、子ども向けの本も
書店に並んでいる様子。
子ども向けなので、牧野のダメな部分はフォーカスされない。
 
・好きなことがある
・植物に興味がある
・つきたい職業がある
 
という子には感想文を書きやすいかも。
 

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夏のおいしいもの。

2023-09-07 09:33:34 | おでかけの記

「いまだかつてないゆったりした夏」になるはずだったのに、

結局今年も「自分では時期をコントロールできない仕事」が入ってきて

ずっと働いていた……

 

わずかながらゆったり時間の記録。

クラブハリエのカフェ。

いちごソーダとスコーンのセット。

歩き回った一日だったので、水分が染みわたる~!

 

8787cafe。

むちむちしたプリンが好み。

 

Afternoon Tea Tearoom

このパフェはすごくおいしかった。

りんごのシャーベット、もっと食べたい!

ラフランスの紅茶もよい香り。

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197:榎田ユウリ『カブキブ! 〈1〉』

2023-09-07 09:25:04 | 23 本の感想
榎田ユウリ『カブキブ! 1』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
あの人気作家、榎田ユウリの書き下ろし新シリーズ登場!!

歌舞伎大好きな高校生、来栖黒悟の夢は、部活で歌舞伎をすること。
けれどそんな部は存在しない。
そのため、先生に頼んで歌舞伎部をつくることに!
まずはメンバー集めに奔走するが……。
青春歌舞伎物語、開幕!
 
****************************************
 
なんとも収まりが悪い終わり方。
2巻以降だったらだいぶん印象もちがったと思うんだけど、
1巻でこれをやられると、
「どうなるの~? 続きが気になる~!」
と思うよりも、腹立たしさのほうが勝ってしまう。
 
メンバーが集まりだしてから面白くなりつつあったのだけども、
なにしろ何も収まっていないので、
ストーリーとしての評価ができない状態。
丸子ちゃんは好き。
 

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196:井上ひさし『東慶寺花だより』

2023-09-05 22:57:23 | 23 本の感想
井上ひさし『東慶寺花だより』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
江戸の離婚は現代の二倍?
寺の境内に身につけているものを投げ込めば、駆け込みは成立する――。
離婚をのぞみ、寺に駆け込む女たち。
夫婦のもめ事を解きほぐすと現れるのは、経済事情、まさかの思惑、
そして人情の切なさ、温かさ。
鎌倉の四季を背景にふっくらと描かれる、笑いと涙の傑作時代連作集。
十年の歳月をかけて書きつむいだ感動の遺作。
著者自身による特別講義を巻末に収録する。
 
****************************************
 
序盤はとっつきにくさを感じたものの、話が進むごとに面白くなってくる。
東慶寺が駆け込み寺だったのは知っていたけれど、
具体的なシステムは全然知らなかったから、
大変おもしろく読んだ。
こういう話を、DV男だった井上ひさしが書いているというところに
業を感じてしまうが……
 
これが作者の遺作になったそう。
法秀尼さまのキャラが立ってきて、
これからも面白い話が展開しそうだったから、
これで終わりになってしまうのは残念。
 
映画『駆込み女と駆出し男』、これが原作だったのか。
大泉洋が出ている段階でドタバタコメディなのだと思って
両者がまったく結びついていなかった。
 
序盤に出てきた元許嫁に強奪された尼さんの話、
名前は変わってたけど、
私の好きな里見義弘と青岳尼のエピソードだよね?

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ドラマ:『ボクの殺意が恋をした』

2023-09-04 07:34:31 | 2023年に見たドラマ・アニメ

ううう……俳優さんたちが真面目に頑張っているのがわかるだけに
見ているのがつらい……!

オファーを受ける段階では脚本もできあがっておらず
そのドラマがへっぽこになるかどうかは分からないから、
出演者にしたら、本当に「運」としか言いようがないんだなあ。

三谷幸喜氏が、「役者さん達に対する責任」というようなことを
インタビューで話していたが、本当にそれ。
特に若い役者さんたちは、ブレイクできるかどうかのかかった
貴重な時間を消費するのだから、
発言権のある人たちはその自覚を持ってほしいよ。

というわけで、へっぽこドラマだった。
コメディにも、最低限のリアリティと説得力が欲しい。
そもそも、相手が「育ての親を殺した仇」であるという設定は
素人目に見てもコメディと相性が悪いと思う。
どうしたってコメディになりきれず、展開に不自然さが生じてしまう。
謎についてもあまり興味が持てず、「実はこうでした!」と言われても
納得できず、「何で???」の連続。
誰か一人の責任だとは思わないが、脚本の罪は重いのでは……??


中川大志くんの外見をもってしても微妙にダサい主人公というのは
それはそれですごいのだが
(服装もダサいのだが、立ち方とか歩き方も、
 ちゃんと「かっこいい男」じゃないの。役を作り込んでる)、
最後まで本当にかっこいいところがない。
いまいちしまらない残念イケメンは、決める時は決めるからこそ
その設定が活きてくるというのに!
何のための中川大志だよ!!

「デスプリンス」という通り名からしてダサい殺し屋も、
面白キャラだったが、この人の行動も途中から「なんで??」の連続。

そしてヒロインの新木優子さん、このドラマで初めて知ったのだけども、
クールビューティーな彼女が見せる笑顔がとってもキュートで胸キュンなのに、
彼女にまつわる設定や展開に違和感しかない。

というわけで、好きなところやいいところもいっぱいあったのに、
なんでこうなっちゃった? というドラマであった……。
俳優さんたちの魅力だけでなんとか最後まで見た……。

「関わっている人がみんなダメなものにしようとは思っていないのに、
どうしようもなく歯車が嚙み合わずにダメになってしまう」
というのが理解できるようになってきただけに、つらい!!

 

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195:倉本一宏『権記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』

2023-09-03 15:26:19 | 23 本の感想
倉本一宏『権記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫) 』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
平安貴族たちの多忙で勤勉な毎日。
藤原道長の側近が残した宮廷日記。

天皇の側近である蔵人頭に抜擢され、一条天皇や東三条院、
藤原道長の篤い信任を得て昇進を重ね、
権大納言にまで上りつめた藤原行成。
彼が書き残した摂関期の日記が『権記』である。
宮廷の政治や儀式がこと細かく記録されており、
当時の政務運営や権力中枢の深奥、秘事までが把握できる
貴重な史料といえる。
貴族たちの知られざる日常生活を記した興味深い出来事を厳選し、
原文・現代語訳と書き下し文、コラムと解説を収載する。
 
****************************************
 
かゆいところに手がとどく、ビギナーズ・クラシックスシリーズ。
権記まで出てきたのは、来年の大河に呼応してのことかな?
 
真面目で有能な働き者、ただし後ろ盾を失って不遇、
子孫も没落。
行成って哀れを誘うのよね……。
最初の奥さんとその子が死んだときの記事、
「去る永延三年八月十一日以後、今まで十四年」
と結婚記念日を覚えて書いているところに胸を打たれる。
 
コラムにあった、
「行成の息子が他のメンバーと一緒に比叡山のお稚児さんを愛して、
 内裏で乱交して顰蹙を買った」
というエピソードにいちばん食いついてしまった。
詳しく!!!!

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【覚え書き】北海道5日め

2023-09-03 08:29:32 | おでかけの記
連日の豪華な食事に嫌気がさして少食を心がけていたら、
夜中にめちゃくちゃお腹が空いて寝付けなくなってしまった。
しかし、この日も早起きできて生活リズムは整った。
私の場合、生活リズムが崩れる時は、たいていの場合、
 
・空腹
・ストレス
・「いいこと思いついた!」という興奮
 
が原因なので、心穏やかに生活を保っていきたいところ。
 
朝一番で、函館駅2階のヤマト運輸へ行き、荷物を発送。
旅行中、大きな荷物を持ち歩くことに耐えられないので、
行きも帰りも、とにかく荷物は宅急便で送ることにしている。
 
午後の早い時間に飛行機が飛ぶので、
午前中は函館市内で時間をつぶすことに。
函館山にバスで行った時に気がついたのだけども、
五稜郭も含めて、函館の観光地は割とコンパクトにまとまっている。
ここも1日で良かったかも。
でも、こういう距離感とか所要時間って
現地に行ってみないと分からないから仕方がないね。
 
 
 
 
朝ごはんは再びのラッキーピエロ  
朝からかなり並んでいるけれど、テイクアウトが多いのかな?
席は空いている。
 
市電で末広町まで行き、北方民族資料館へ。
ここも、建物は昔のものを使用しているみたい。
アイヌ だけでなく その先の北方民族をテーマにした施設。
 
 
 
 
 
 
 
 
学生さんが社会見学で来るらしく、解説にちゃんと
意味を易しい言葉に言い換えた語注がつけて助けてある。
 
 
 
味気ない解説ではなく、館長さんの語り口になっているところが面白い。
フラッシュは使えないが、写真は撮ってOK 。
『ゴールデンカムイ』で見たというものが多く、
解説でも「例の漫画」となぜか題名を伏せて登場していた。
 
↓これははっきり作品名が出ていた。
 
 
『ゴールデンカムイ』、北方民族の文化と真摯に向き合いながら、
でもエンタメにきちんと昇華してるところが本当にすごい。
そして、アイヌだけでなく、北方民族に対する興味関心を
喚起したという点で、ものすごい貢献をしたんじゃないだろうか。
 
 
至るところに古い建物がある。
 
 
 
ベイエリアは、どこもたいてい、天気が悪いと台無し。
 
函館空港はこじんまりとしてお店も少ないので、
あまり早く来ると時間は潰せないかもしれない。
座れる場所はたくさんあるけど。
 
愛知が大雨で大変だと聞いていたので心配していたけれど、
特にトラブルもなく帰宅できた。
ただ、飛行機の心配をしてくれていた友だちが住んでいたエリアは
避難しなければならないレベルで大変なことになっていた模様。
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映画:『君たちはどう生きるか』

2023-09-02 15:21:02 | 映画の感想
2023年の映画⑫『君たちはどう生きるか』(宮崎駿 監督)
★★★☆☆3.5
 
映画館にて。
 
評判通り、「うん、わからん!!!」なんだけど、
事前に予測していたほど支離滅裂ではないし、
あえて説明していないだけで、
ちゃんと設定はあるのだろうな、と感じた。
序盤の不穏な空気、わくわくするような世界観も
たいへんよかった。
 
以下、ネタバレ注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジブリ映画特有の「醜さ」がちょっと苦手なんだけど、
ポスターのかっこいい鳥の正体が、
醜いおっさんだったのは、微妙にショック。
 
父親が死んだ母親そっくりな叔母と再婚して、
すでに叔母が妊娠している、という序盤。
それに対する主人公の感情がはっきり描かれないので、
後々に重要になってくる「主人公と叔母の間にあるもの」が
わからない人には本当にわからないだろうなと思った。
男女のことを知りつつあってもおかしくないうえ、
まだ母の恋しい年齢である「少年」の主人公、
そして姉の子どもを継子として受け入れなければならない叔母の
間にある葛藤。
父親が、「悪人ではないが、いけ好かない金持ち」であるのも
面白い設定。
 
正直に言うと、途中から
「早く終わらんかな」
「長くない??」
と思っていたので、
「面白かった」とは言いがたいんだけど、
好きなムードではあった。
ジブリの映画、個人的な印象としては
わかりやすいエンタメとして楽しめたのは『耳をすませば』の頃までで、
その後の作品については「めっちゃ面白い!」とは思わないんだけど、
とにかく圧倒的なムードの良さで楽しめる。
白くて丸いワラワラも可愛い。
 
タイトル、吉野源三郎の本とはまったく関係ないのだと思っていたが、
本自体は話の中にちゃんと出てきた。
 
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