え？ 有償配布？

　都からメールが来ました。
「外来対応医療機関管理者　様　東京都保健医療局　感染症対策調整担当部長　松○　い○み
（公印省略）」「感染拡大に備えた発熱患者の診療・検査に用いる抗原定性検査キットの有償配布の実施について」

　５月８日にコロナ感染が５類感染症になってから再度混乱しています。今の第９波はじわじわと続いていますし、季節外れのインフルエンザ流行も猛威を振るっています。発熱者の受診は減ることはありません。当院は発熱者を診療する「診療検査医療機関」でしたが５月８日よりその枠組みが撤廃されました。５類になってからは「発熱患者の診察義務」はなくなったものの、それでもあいかわらず保健所からの紹介ということで保健所経由の患者さんから連絡があります。
　現状ではインフルエンザ・コロナの抗原検査キットが枯渇状態です。そこで都ではストックしてあるキットを「有償配布」してあげましょう・・ということですね。
　一見ありがたいのですが、よく考えると保健所は発熱者に対して今でも「元・診療検査医療機関」への受診指示をしています。どこそこへ行きなさいと役所が指示するなら、その業務遂行に足りない備品は無償で提供してほしいですね。もともと都でストックしてある抗原キットは税金で確保してある備品ですので、公的に仕事を依頼するならそれに必要な備品は無償配布が当然だと思うのですが。
　早々と国は５類感染症にコロナを落として、「あとは現場でよきに計らえ」と降参（放棄）状態です。現場での軋轢はもう面倒見てくれないのでしょう。まあ我々は、補助の有無で医療を行っているのではないのでそれは構いませんが、でもじわじわと10/1から医療点数を下げてくるのはやめてほしいです。