他人の家の敷地に入り繋がれている犬を触って手を噛まれたという高齢女性が来た。
当院の昼休みの時間帯なのであるがクリニックに入ってきた。
近隣の〇〇クリニックにいったら「吉田さんの所にいけ」と言われたというので、こちらが休み時間でも診るのが当然であるような態度で来院された。
創は深くない。たぶん感染は起こさないと思われたので一針のみ縫合し処置を終えた。
さて処置を優先させたので、その後カルテを作ろうという段階での会話である。
「保険証拝見します」 「保険証はない。ずっと持っていない」
「えっ? 医療券か何かお持ちですか? ないと支払いは自費になってしまいますが?」 「医療券ないよ。治療費はそっちから飼い主に請求してよ」
「今、いくらか手持ちありますか?」 「金持っていないよ」
「こちらの会計上、一時的にいくらかでもお立て替え頂かないと・・・」 「一時的でも立て替えるつもりはないよ」
「会計はどうしたらいいのでしょうか?」 「知らないわよ」
「・・・・・」 「じゃあ飼い主に払いに来させればいんでしょ」
と言って帰られてしまった。今後二度と来られなかったとしても、まあ人助けだと思えばいいのである。
まさに疾風のように現れて、疾風のように去っていった。まるで月光仮面のようだ。
でも少なくとも正義の味方ではなさそうである。
当院の昼休みの時間帯なのであるがクリニックに入ってきた。
近隣の〇〇クリニックにいったら「吉田さんの所にいけ」と言われたというので、こちらが休み時間でも診るのが当然であるような態度で来院された。
創は深くない。たぶん感染は起こさないと思われたので一針のみ縫合し処置を終えた。
さて処置を優先させたので、その後カルテを作ろうという段階での会話である。
「保険証拝見します」 「保険証はない。ずっと持っていない」
「えっ? 医療券か何かお持ちですか? ないと支払いは自費になってしまいますが?」 「医療券ないよ。治療費はそっちから飼い主に請求してよ」
「今、いくらか手持ちありますか?」 「金持っていないよ」
「こちらの会計上、一時的にいくらかでもお立て替え頂かないと・・・」 「一時的でも立て替えるつもりはないよ」
「会計はどうしたらいいのでしょうか?」 「知らないわよ」
「・・・・・」 「じゃあ飼い主に払いに来させればいんでしょ」
と言って帰られてしまった。今後二度と来られなかったとしても、まあ人助けだと思えばいいのである。
まさに疾風のように現れて、疾風のように去っていった。まるで月光仮面のようだ。
でも少なくとも正義の味方ではなさそうである。