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「利根沼田」が日本酒の地理的表示に名乗りを上げるようです。

2020-12-02 15:02:03 | 附属酒類経済研究所
                          

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業界紙に出ていたので、現物を見てみました。





行政が制度を作る際などに、広く住民の意見を聞くために設けられている「パブリック・コメント」制度(通称「パブコメ」)。

今回のパブコメは「酒類の地理的表示として利根沼田を指定する件(案)に対する意見募集」です。

「酒類の地理的表示」というのは、地名表示等の際に一定の基準を決め、それによって地域ブランドを確立・保護するもので、清酒の場合、「日本酒(日本という地名)」や「白山」「山形」「灘五郷」「はりま」などが既に認定されています。

今回は「利根沼田」という地域が名乗りを上げた、というもの。

「利根沼田」、、、、、個人的には尾瀬の玄関口や関越から見える典型的な河岸段丘の場所としてよく知っているのですが、一般的には知名度が高いとは言えません

業界の人でもこの地名だと??でしょうが、この地理的表示を構成する「川場村」という名前には「ピン」とくるのではないでしょうか。
(今回の地理的表示も、アクティブに活動されているあの蔵元さんの力も大きいのではないでしょうか)

で、その「地理的表示」のためには、「この地域のお酒はこんな特徴がある」と言わなければならないのですが、これって結構難しいですよね。

例えば、既存の例で挙げた「白山」「山形」「灘五郷」「はりま」などはこうです。
(「 ⑴ 酒類の特性について 」を引用・列挙)


白山の清酒は総じて、米の旨みを活かした豊かなこくを有している。
その中でも、純米吟醸酒・吟醸酒は、穏やかな果実様の香りとほどよい酸味を有し、豊かな味わいとこくが相まって、飲み手に品格を感じさせる。

山形の清酒は総じて、やわらかくて透明感のある酒質を有している。
その中でも、純米酒・本醸造酒は酸味や旨味が調和した、ふくよかで巾のあるやわらかな味わいを有している。また、純米吟醸酒・吟醸酒は、やわらかな口あたりと果実様の香りとの調和により、透明感が更に感じられる。

灘五郷の清酒は総じて、味わいの要素の調和がとれており、後味の切れの良さを有している。その中でも貯蔵したものは、秋上がりして香味が整いまろやかさを増して飲み飽きしない酒質となる。
 また、純米吟醸酒・吟醸酒は、華やかな果実様の香りと幅のある味わいが相まって香味の調和が整うとともに、更に後味の切れの良い酒質となる。

はりまの清酒は、総じて口当たりは柔らかく優しい丸みがあり、苦み渋みが少ない繊細なコクと豊かな香味のふくらみを有している。また、兵庫県で生産された酒米の山田錦を用いて健全に育成した麹を使用することにより、醪において心地良い酸味が付与され、後味が軽快な酒質となる。
 特に、純米酒、本醸造酒はこく、香味及び酸味のバランスが取れた飲み飽きしない酒質となる。また、純米吟醸酒、吟醸酒は華やかなリンゴの様な果実様の甘い香りが心地良い酸味と調和することにより、更にのど越しの良い酒質となる。



いや、「○○の清酒は総じて、○○であって、、」という枕草子のような同じ出だしが続きますが、これ、地名を隠して当たる人がいたら大したものですね。

また、認定順に並べているのですが、後に来るほど表現も難しくなるのか、行数も増えていっています。

こんな諸先輩を見てきた「利根沼田」は「どんなお酒です」と言っているのでしょうか?

以下次号!です。




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