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昨夕、池袋の東京芸術劇場・プレイハウスへ。
家人が行けなくなった勅使川原三郎のダンス・プロジェクト「ランボー詩集」。
元々ダンスにはあまり土地勘はなく、勅使川原もメディアで見聞きするくらいなのですが、いや、面白かったです。
舞台の中央には、3m×3.5mくらいの巨大な本(詩集?)をモチーフにしたセットが置かれていて、縦置きされたページの間をダンサーが出たり入ったり。
この「本」は途中で開かれて屏風のようになり、後半には1ページ1ページ取り外されて闇に消えていきます。
音楽は、、、、ファンキーな音楽/ノイズとバッハのマタイ受難曲のようなアリア/コラールとが、ある時はシームレス、ある時は急展開で行ったり来たり。照明もそう。
こうした舞台の上で、不安定な勅使川原のダンスと、疾走感あふれる他の3人のダンサーの振り付けも行ったり来たり感があって、これら含めすべてを勅使川原一人で構成しているのが実感できる、飽きないステージでした。
ランボーのことは、早熟かつ天才的な詩人?ということくらいしか知りませんが、創造や激情、絶望などを行き来する姿が描かれているのかな、とも。
◆
酒屋的にはランボーとアブサンと言うのが思い起こされますね。
ネットで探ったら、「渇の喜劇」という詩などにアブサンも出ていました(青空文庫-中原中也訳)。
III 仲間
おい、酒は浜辺に
浪をなし!
ピリツとくる奴、苦味酒(ビットル)は
山の上から流れ出す!
どうだい、手に入れようではないか、
緑柱めでたきかのアプサン宮(きゅう)……
小生。――なにがなにやらもう分らんぞ。
ひどく酔つたが、勘免しろい。
俺は好きだぞ、随分好きだ、
池に漬つて腐るのは、
あの気味悪い苔水の下
漂ふ丸太のそのそばで。
こんな場面もあった、かな。
全てはアブサンの夢の中なのかもしれません。
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