kekeと箱根駅伝

丸一日フリーなのは今日だけなので、どこかに出かけるつもりだったが、朝起きたら８時半だった。

kekeが珍しく「朝ごはんは～？」と言うので、昨日のカレーでもいいかと言うと「うん」と言う。
「箱根駅伝」がかかっている。
噂では何度も耳にした正月番組だが、改めて見たのは今日が初めてだった。

しばらく二人で見ていたが、kekeがこれでいいのだろうか、と言う。
自分はまだまだ他にやらねばならない事があるのに、こんな風にぼんやりＴＶを見ていていいのだろうか、と言う。

「私もそうなんだよね、今日ぐらいしか出かけられないのにこうしてＴＶを見ていていいんだろうかねぇ。」
「出かけてきてよ、そしたら勉強するから。」
「でも、何だか出かける気がしないんだよね。」
「初詣行くって行ってたじゃん。」
「うん、でも朝早く行くつもりだったんだ。もう混んでそうで行く気がなくなったよ。」
「行けばいいのに。」
「ところでkekeは今年の抱負は何？」
「・・・１年がんばって生きる。」

　・・・・・・。
「でも、それいいよ。私もそうしよう。」

箱根駅伝はまだまだ続き、私とkekeはこんな時間の過し方でいいのだろうか、と思いながら相変わらずＴＶを見ていた。

kekeの話によると、kekeはやらなくてはならない事がたくさんあるらしい。
「勉強だったら、コタツの方が暖かいからここですれば？」
「ここだと誰かさんに監視されるからイヤだ。」
「そしたら、私は買い物にでも出るよ。」
「それは抵抗があるんだよ。」

「それじゃ駅伝を見てから、お互いに好きな事をしよう」と言ったが、kekeは５区が始まってまもなくすると部屋に戻った。

私はその後もぼんやり駅伝を見ながら、一部ねむくなって昼寝をした。
それでも、まだ起きると駅伝は続いていた。
最後のトップ走者は記録を更新したと言う。

あー、二人で見るＴＶはおもしろい。


今、kekeが一番ほしいものは「時間」だと言う。
傍から見るとのんびりのほほんとしているように思うが、そう言う意識ではないのかもしれない。

小学生の頃からそう言うニュアンスはあって、「もっとこうしなきゃ」に追われているような気がする。私の後姿や教育が悪かったのかもしれない。
どんな時間の過し方をしたいのか？と尋ねると、「翌日に【昨日は充実してたな】って思えるような時間の使い方」をしたいらしい。

果たしてこの駅伝はどうだったのだろう。

お金は、今有意義に遣う術がなければ置いておく事ができる。
時間はそれがない。
今、どう使うかしかない。
だから、圧迫されるのだろうと思う。

今年はもっと許せるようになろう。
あとで、kekeにそう言おう。