ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

このところ頚部浮腫の相談が多い

2008年12月06日 | 頚部浮腫
今回は、頚部浮腫(NT)についてです。
これまでにも何度か書いていますが重ねてお知らせします。
このところ、また頚部浮腫についての質問が多くなっています。
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私は 35歳です。
今回の出産は15年ぶりの2回目です。

毎日とても不安な日々を送っておられることをお察しします。
私の経験をお話しますね。

去年、妊娠5週で妊娠がわかり とても喜んでいたのですが妊娠10週で 同じようにベビーの首の後ろに浮腫みが見られました。
私の場合は 初めて見つかった時にはふくらみは すでに 7ミリありました。
医師の話では そのふくらみが3ミリ以上あると染色体の異常の確立が高くなるといわれました。
10週~14週くらいの間を目安にチェックするらしいのですが その間に消滅する可能性も充分あるらしいのでしばらく様子を見ようと言う事になりました。
それから毎週通院しましたが ずっと変わらず7ミリのままでした。

羊水検査というものがあることを医師から聞きましたが 私と夫は羊水検査を受けるかどうか 本当に本当に悩みました。
羊水検査について詳しく話しますね。

まず、この検査を受けるにあたって検査結果にかかわらず出産を希望される場合は検査の必要はないと思います。(このことは医師からも言われました。)ですから検査をうけるということは結果が望ましくなければ中絶を希望するという考えのもとに行われます。
この検査では『染色体の異常』『二分脊椎』『先天性代謝異常』が判ります。
羊水検査は妊娠15週~18週くらいに行うのが理想です。
15週~18週に検査を行うのが理想的な理由としては お腹の羊水の量がそれ以前では少なすぎる為、そして18週までに。。というのは日本の法律ではいかなる理由があっても人工中絶は妊娠21週6日までしか行えないために この検査を18週に行ったとして結果が出る頃は妊娠20週~21週になっているためです。

人工中絶も妊娠12週を過ぎると赤ちゃんも大きくなって 胎盤も出来ている為に 麻酔がかかっている間に終わるような手術では済みません。お産と同じように人工的に陣痛を起こしてお腹の赤ちゃんを娩出する方法で中絶を行います。

この検査では羊水を接種して検査を行いますが 羊水を検査するのではなく羊水内に混じっている赤ちゃんの皮膚組織や体毛を採取して検査するのです。
ですが まだまだ羊水も少なく赤ちゃんの組織も極々わずかな量なのでその組織を培養して検査をします。そのため培養するのに日数がかかるために検査日から結果までは約2~3週間かかります。
ですから検査が受けれる15週にすぐに検査をしても結果がでるころには胎動も感じるかもしれません。
検査方法はエコーを見ながら赤ちゃんの位置を慎重に確認しながらお腹に約30~40センチの針を刺して羊水を接種します。
張りを刺すお腹には麻酔がされますがあくまでもお腹の皮膚だけですので子宮に針が届いたときには多少の痛みがあります。
この検査にはリスクもあります。
約0.3%の確立で流産する可能性もあります。
そしてこの検査を受けて異常が無かったからといって赤ちゃんが必ず障害がないとも限りません。
この検査でわかる異常は限られているからです。

染色体のことを詳しくご存知ですか?
染色体の異常は1000以上あるといわれています。
人間の染色体は46本あります。
染色体は2本で1対ですので23組あります。
ですが受精時の異常などで2本で1対のはずが3本だったり逆に1本しかなかったりします。
数の異常だけではありません、形の異常もあります。
ダウン症は21番目の染色体が1本多い3本ある異常です。
染色体の異常をもって産まれてくる人のなかでもダウン症は多い疾患です。
その理由として23番目の染色体は中でも短い染色体でまして少ないのではなく1本多いということから染色体異常の中でも軽症で生存確立が高いためダウン症のひとが多く見られるのはそのためだとも言われています。
ちなみに1本多い異常を『トリソミー』。少ない異常を『モノソミー』といいます。
ですからダウン症は21番目の染色体が多いので『21トリソミー』ともいわれています。


私は毎日毎日 1日中涙を流していました。
とっても望んで出来た赤ちゃんでした。
でも 染色体の異常についてインターネットや本などで調べていくにつれ 育てる自身もなければ そんな方法で中絶をする覚悟もできませんでした。
産みたい・・・産んであげたい・・・。でも育てる自身がない・・・でも中絶する覚悟もできない!!!!異常があったら中絶?!なければ出産・・・・。こんなことを考え悩み涙している自分に すごく罪悪感がありました。
こんな気持が毎日続き 涙を流さなかった日はありませんでした。

そんなときに私も○○さんと同じように【たまごママネット】に出会いました。
私は もうどうしたら良いのかわからなくなっていました。
そんなときに主治医が『いっぱい悩んで泣いて考え涙を流して△△さんが、決める結果ですからどんな結果をだしてもそれは△△さんとご家族にとって一番良い方法だと思います。』
といってくださいました。
それからたまごママネットの主宰者の方にもたくさんメールをいただきました。
私と夫は、羊水検査を受けることを決心したのです。

そして15週。赤ちゃんの浮腫みは8ミリになっていました。
検査を受け結果がでるまでの3週間の間に 胎動を感じました。
まだまだ小さな動きの赤ちゃんの居るお腹を触り『どうか異常がありませんように』と何百回祈った事でしょうか・・・

3週間後、結果が出ました。
異常なしでした!!!
偶然ですが私の主治医となった医師は染色体をとても専門としている先生で 結果が異常なしと判り『△△さんの場合、最初から7ミリもありましたし ずっと変わずの状態でしたし染色体に何らかの異常がある結果が出ると正直思っていました。嬉しい結果です。』
とのこでした。

異常があるかもといわれてから検査の結果が出るまでの2ヶ月は私の人生で最も長く辛い時間でした。

長くなりましたが これが私の経験です。


私は今年1月に元気な男の子を出産しました。
最近 夫と悩んでいたころの話しをしたりします。
今 元気に遊んでいるベビーをみているからかもしれませんが 私はあの検査結果が出たあの日。
もし。。異常があるという結果がでていても出産することを決意していたような気がします。

この羊水検査については世界中で是非が問われています。
お腹に宿った命を異常があるから。。障害があるからといって中絶をするなんてことをしてもよいのだろうか。。?!?ということについてすごく問われています。
私は反対派でも賛成派でもありません。
それぞれの家庭にそれぞれの事情や道があります。
医師から『障害があるかも。。。』と告げられたときに 『それならいらない』って簡単に決めた結果ではありませんよね。みなさんきっと悩んで悩んで、泣いて苦しんで毎日毎日眠れない日々を過ごし凄い葛藤と戦い出した結果だと思います。
そんな深い心で悩み考えでした答えがそれぞれのご家庭にとって一番の結果だと私は思います。

○○さんご夫婦が毎日眠れない日々を過ごしておられること。。。
どう考えたら良いか判らずに何を考えたらよいかわからない日々を過ごしておられること。。私には本当によくわかります。

私は幸いにも赤ちゃんに異常もなく無事に出産することができましたが この経験を無かったものにはできません。
ですから今は 同じことで悩んでおられる妊婦さん3人ともずっとメールをやりとりしています。
この3人の方はみんな 検査を受けないと決められて頑張っておられます。
先月のはじめにその中のお一人が無事に健康な赤ちゃんを出産されました。
他のお二人の方は 一人は今月25日が予定日でもう一人のかたは来年春が予定日です。
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皆さんいいお産をされたようです。
どんな状況でもお腹の赤ちゃんを慈しむ心が大切ですね。



コメント (2)
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