横に止まった車のボディに、カタカナで何か書いてあるがよく分からない。別に目が霞んで見えないという類の話ではなく、意味が通じないのだ。よくよく見ると、なんと右から左に向かって書かれてあった。それはないだろうと思いながら「変な蟹文字ですなー」と呟くと、運転席の紳士は「何ですかそれは」とのたまう。作家出久根達郎氏のエッセイの中にあった言葉で、「言い得て妙」と感心したのだが、要するに横書きのことである、「蟹の横ばい」から来ている。但し氏の造語ではない。そんな説明をすると、運転席の紳士は「なるほど」と深くうなずいてご納得の態。
後日ある資料の訓下文をFAXしていただいたのだが、ワープロの横書き文であった。末尾には手書きで「かっての文明の利器ワープロがそろそろ寿命のようです。パソコンの勉強に励んでいます」とあり「パソコンで縦書きは簡単に出来ますか。やっぱり日本語は蟹文字はいけません」とあった。
後日ある資料の訓下文をFAXしていただいたのだが、ワープロの横書き文であった。末尾には手書きで「かっての文明の利器ワープロがそろそろ寿命のようです。パソコンの勉強に励んでいます」とあり「パソコンで縦書きは簡単に出来ますか。やっぱり日本語は蟹文字はいけません」とあった。