東京やなぎ句会が出した句集「五・七・五句宴四十年」を読んでいて、8人のメンバーの内入船亭扇橋・小沢昭一・桂米朝・加藤武氏などが亡くなって、今後はどうされるのだろうと他所事ながら心配になってきた。
小沢昭一氏が自慢気に紹介する自作句に次の句がある。
越後屋を出て馬車の風インバネス
ちょっと時代かかった風景が目に浮かぶ。
インバネスとはシャーロック・ホームズが着用しているあのコートのことだが、日本では「とんび」などと呼ばれ和装の際のコートして重宝された。
今日は横綱・白鵬が場所入りする姿が放映されていたが、まさしくこのインバネス姿だった。
この本が発刊された時にはすでに故人であった永井啓夫氏は、小沢氏とは違う作風の次の句がある。
バーバリーに二月の雨となりにけり
対照的なコートを主題とした句だが、人柄がよく出ているなーと感心させられる。
外出の機会が大幅にへった私のコートは、クローゼットの片隅におさまったままである。
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