
天使に悔い改めと赦しがない理由は、もう一つ推測されます。
春平太は、このシリーズで、天使は軍団で統率されるように創られたことになる、と申しました。
もっと明確にいうと、最初から「軍団として創られた」です。
天使はみな軍人なのです。

人間社会でも、軍人は、一般社会人とは別のルールで統治されています。
その必要があるのです。
軍隊は戦になったら勝つことが必須目的です。
一般社会では、人間尊重・個人の人権も大事な正義です。
基本的には軍隊でも同じでしょう。
でもそれは平時でのことです。
軍隊では戦になって負けたら、正義もなにもなくなるのです。
自分たちの法が施行されていた、その社会・国家すら破壊されてしまう。
そして相手の設定した法で統治され、裁かれてしまいます。
自分たちの平時の正義を守るためにも、とにかく戦には勝たねばなりません。

<命令系統で動く組織>
戦では、組織行動の迅速さ、スピーディであることが求められます。
ぐずぐずしてたら、勝てるものでもやられてしまうのです。
だから、組織は100%命令でもって動かすようになります。
人は命令には絶対服従で行動するようにします。
個人の人権、個人の発言権が大事だ、といって議論させていたら統率の弱い、のろい軍隊になってしまいます。

<軍法会議>
裁きもまたそうです。
軍団は、一般社会とは別枠の裁きの場を持ちます。
軍法会議(軍事裁判所)がそれです。
ここでは一般社会の裁判所のように、何年もかけて入念に裁くことは通常しません。
軍法という、別枠の法律で裁きます。
そこでは即決裁判も少なくありません。
軍人には敵前逃亡という罪があります。
戦に出されて、いざ敵を前にすると、恐怖でふるえることがよくあるそうです。
とくに、初年兵はそうなりやすい。
それで、逃げ出してしまう。
これについてはその時の精神状態がどうのこうの、とか、情状酌量の余地はあるかどうか、などを
いちいち確かめたりすることはほとんどありません。
即決裁判で処刑です。
軍隊世界には、「赦し」がないのですね。
赦しがないですから、「悔い改め」も効力がありません。
悔い改めたって、赦されないんですからね。
天使もそういう世界にいる存在と推定できます。
彼等は赦しのない社会、赦しのないルールのなかで生きているのです。

<強大な権能と認識能力>
可哀想に・・・。
そんな厳しい世界の中で暮らすように、創ってあげなくてもいいのに・・・。
でも、その必要があったのではないかなあ。
天使には、強大な権能が持たせてあります。
火になり、風にもなり、人間の身体細胞を霊的に変化させて、癒すことも出来ます。
おまけに霊界が見える認知能力も持っている。
霊だから、羽根などなくても、天の創主王国と宇宙、地球上をも行き来できる。
霊だから、病で苦しめられるという恐怖がない。
霊だから、死の恐怖もない。
~~大変なもんです。

これで、ロボットではない。
自由意志をもって、自ら考え行動できる被造物として創っています。
こういう被造物を、自分の生活を楽しむ存在として創ったのではありません。
創造主に仕える使命を持った存在として、そういう使命をきちんと守っていく存在として創るのです。
これはやはり、厳格な命令ー服従の組織の中に置くしかないのではないでしょうか。
それだって、ある天使長とその配下は、使命を外れて創主に反逆したのですから。

これが天使です。
聖書では、この天使が常時多くの場所で働いていることになっているのです。
(そういう状況をイメージしながら読まなければなりません)
最後の審判だってそうですよ。
イエスが裁く、となっていても、実際に(イエスの下で)裁きを実行するのは天使たちですよ。
きっとその裁きは、厳しいものになるでしょう。
細かいところ、曖昧なところなどはバサッと処理してしまう。
明快で、男性的な裁きです。
そういう裁きしかできないんですね。
そういう体質なんですから、天使は。
~~さあ、以上を良く踏まえて、エホバとは何か、を考えましょう。
(続きます)
