~~写真は、石舞台史跡の入場券
新年に、すこし随筆のような文を書いてみたくなりました。「著書について」は途中ですが、思いつくままに書いてみます。
鹿嶋は最近、奈良県は明日香の地にある石舞台という史跡に行って来ました(写真参照)。明日香は飛鳥とも書きます。ここは日本の歴史において大和朝廷ができていくときの舞台です。
石舞台の実体は蘇我馬子の墓ではないかと推定されたりもしているようですが、石棺を入れる為に大きな石を四枚組み合わせて作った10畳ほどの部屋です。3つの側面を巨大な石の板が囲っています。石を壁のようにして前側と左右にたてている。そしてその上に屋根のようにしてもう一枚の石の板が置かれています。一つの側面には石の板の壁はありませんが、その側面から石の階段が下方に降りていくように作られています。人がそれを下っていったところがちょうど部屋のような空間になっています。そこに高貴な人の遺体を入れた石棺が置かれていたわけです。
もともとはこの石の屋根の上と周囲とには土が盛られて、全体が小山のようになっていました。だが年月の流れの中で土が流れ落ちて、石が露出するようになりました。その結果、その姿があたかも石で作った舞台のようにみえる。そこで石舞台と呼ばれるようになりました。
明日香の地に立ちましたら不思議に気持が落ち着きました。平地を歩くと有名な大和三山(耳成山、香具山、畝傍山)やその他の山が囲んでくれています。山々の高さも適度で、富士山のようにそびえるという感じは与えません。かといってハイキングで簡単に頂上まで登れるほどの低いものでもない。人間の感覚に適度なような気がします。
こうした地に身を置くと、他の人でも気持ちが落ち着くのではないでしょうか。山々は適度の距離と適度の高さにあって、人を囲ってくれている。こうして一つの閉じられた空間感覚をつくってくれることによって、気持を落ち着かせてくれるんですね。だだっ広い平原にいるときと比べたら解ります。たとえばアメリカ中西部のオハイオ州とかイリノイ州はほとんどどこまで行っても平原で山は一つも見えません。こういうところにいますと、鹿嶋も含めて少なくとも日本人は、精神不安定になる傾向があるのではないでしょうか。
(続きます)