聖書には、そのなかに展開する様々なドラマを鳥瞰させてくれる、全体世界像を述べた聖句があります。
それは我々の五感認識を超えたゾーンに及ぶ、広大な世界像です。
その代表を三つあげるとすれば、「創世記」の冒頭、「エペソ書」の冒頭、「ヨハネ伝」の冒頭だと鹿嶋はみています。
著者は順に、モーセ、パウロ、ヨハネです。
みな短い文章で描かれています。
こいうものは、著者の経験知識から論理的に持ってくるのではなく、直接与えられる啓示(その多くは幻)を基に書かれているからです。
啓示は言葉にすれば短いメッセージになるのです。
「創世記」では、宇宙の中にある地球という惑星の、その地表に人間が住める環境が造られ、そこに人間が創造される状況をのべています。
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「エペソ書」は、御子イエスをアクセプトした者が創造神の子とされる、そういう特権を得られるように、全被造界があらかじめ創造されている様を述べています。
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「ヨハネ伝」は、「エペソ書」で描かれたことを、一段と総合的に、論理的に、そして神学的に描いています。
時系列で言うと、ヨハネの著述は三番目です。
キリスト教会の大長老となっていたヨハネは、パウロの著述~「エペソ書」は彼が書いた手紙~も当然読んでいます。
おそらく、それをも体系化しつつ、より総合的に述べたのでしょう。
ヨハネは、創造神とその御子イエスだけが存在する世界に被造物が作られていく仕組みを述べています。
まず御子が被造物の型枠(枠組み:ロゴスと記されている)を造ります。
父なる創造神がそこに量子波動を注入します。
(この量子波動を鹿嶋は「いのち」の量子波動、略して「いのち波動」と名付けています)
すると、そのカテゴリー(枠組)のなかに、各々個性をもった被造物が出現する~こういう様を述べています。
鹿嶋は、このブログでこれまで、「創世記」と「ヨハネ伝」の解読は試みてきました。
だが、「エペソ書」には、取り組んで来ませんでした。
いまそれの全体世界像を、微力にしてささやかながら~ホントにささやかながら~読み解いてみようと思います。
次回からはじめます。
(=「エペソ書」の全体世界像=・・・完)