前回~、
イエスは「御言葉が人になって」この世に来た存在である。
だからイエスは(学ばなくても)御言葉を次々に流出さすことができる
~と申しました。
これを感情的に受け入れがたい人は、仮説と考えてもいいでしょう。
とにかくこの考え方で進みます。
<少年イエスの驚異的な聖書知識>
イエスの人間離れした聖句知識のありさまを示す一例が、「ルカ伝」2章にも記されています。
イエスの住んだナザレ村の人々は、毎年こぞって「過越の祭」の時期にエルサレム詣でをする習慣になっていました。
イエスが12才の年にもエルサレム詣では在ったのですが、その際に事件が起きた。
帰途、一日の道のりを来たとき、両親はイエスがいないことに気付いたのです。
親族や知人の中を三日間探し回ったがみつからない。
とうとうエルサレムまで戻ると、なんと神殿の広場でイエスが教師たちの真ん中に座って議論していたのです。
その時~
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「聞いている人はみな、イエスの知恵と答えに驚いていた」(「ルカ伝、3:46)
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~とあります。
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ここで少年イエスを取り巻いていた「教師」とはユダヤ教の教師僧侶でしょう。
そしてこの時代、長時間の議論の対象になるのは聖句以外にあり得ないでしょう。
ユダヤ教の教師は聖書(旧約)のプロです。
イエスはその彼らと何日も聖句を議論していた。
そして、聞いている人々が彼の知恵に驚いた、とルカは記しているのです。
・・・この事件もまた、イエスの聖書知識が飛び抜けていたことを示すのではないでしょうか。
イエスはその後、両親と一緒にナザレに帰り、「両親に仕えた」(「ルカ伝」2:51)とあります。
父親に従っての大工の仕事をしていたのでしょう。
そういう境遇の中での12才の少年が、ユダヤ教のプロの聖書教師の真ん中に立って議論をし、
その知恵で人々を驚かす、などという事態は普通には起きえないでしょう。
単に頭が良くて聖書が好きだった、というだけで起きることはない。
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この事件もまた、「彼の中にすでに御言葉が体現されていた」という理由を浮上させるのです。
神秘的ではありますが「それ以外の現実的理由」は、鹿嶋の心には出現しません。
<御言葉は先に天にあった?>
そこでこの「ヨハネ伝」1:14 の聖句に今一歩深く踏み込んでみましょう。
まず「言葉が御子イエスとなって世に来た」としますと、次のことが言えそうだ。
つまり、その言葉はイエスに体現される時点では、「この世」ではなく「創造神の懐」というか、広くいえば「天」にすでにあった、と。
あったから、人となり得るのですからね。
存在してなかったら、なりようがない。
それが道理ですよね。
<父のもとで見たことを話しているんだよ>
また、イエスのこういう言葉もあります。
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「私は父(創造神)のもとで見たことを話しています」(「ヨハネ伝」8:38)
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ここで「見たこと」とは、光景もあるかも知れませんが、主に「言葉(文字)」でしょう。
父(創造神)のもとにはすでに書かれた言葉があったのです。
それをみて御子イエスは、そのままこの世で語っていることになります。
すると福音書の著者たちの仕事はどういう風景になるか?
彼らは、御子のその言葉を福音書に書き留めているという構図になります。
<人間には読めない文字で>
つまり、繰り返しますが、天に先に言葉(文字)があるのです。
おそらくそれは人間には理解できない、いってみれば「神語(かみご)」とでもいうべき言葉で書かれているでしょう。
その一部を御子イエスは人間の言葉である、アラム語やヘブライ語(ギリシャ語でも?)で語った。
そして、福音書の著者たちはそれを直に聞いたり、取材したりして記録した、ということになります。
<旧約の言葉も先に天に存在?>
だったら旧約聖書の言葉も先に天にあった、と考えられませんか?
そのすでにあった言葉のうちの一定部分を、創造神(エホバ神)はイスラエル人の超霊感者(預言者」)に啓示した。
(余談ですが、こうなると、エホバ神(天使)が自分で考えたことをイスラエルの預言者たちに啓示したのではないことになりますね。
すると歴史のすべてが父なる創造神の意志で動く、という聖書の全体像に適合して、すっきりします)
ともあれ、そのある部分は映像で、そして、ある部分は言葉(ヘブル語)でもって示した。
超預言者たちは、それを創造神からのメッセージと信じて受信し記録しました。
イスラエル民族は、それをやはり創造神からのメッセージと信じて保存した。
それが旧約聖書だった~ということになるでしょう。
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イマジネーションはまだまだ続きます。
しかしこういう聞き慣れない話に、読者がこれ以上ついてこられるには、一呼吸置く必要があるでしょうね。
今回はこれまでにします。
(続きます)