阿佐ヶ谷のYellow Visionにおいて、集まった各メンバーのソロ演奏を中心とする「毒食」の一夜(2017/8/31)。
Maresuke (contracello)
Junji Mori 森順治 (as)
Chiho Suzuki 鈴木ちほ (bandoneon)
Hideki Hashimoto 橋本英樹 (tp)
Tomoko Morita 森田智子 (performance, conductor)
Margatica (Mai)
Naoko Saito 齋藤直子 (curved ss)
Elizabeth Millar (cl)
Craig Pedersen (tp)
かなり多くの面々が集まり、ソロばかりではなくなった。演奏の順番は次の通り。
1) Maresuke+橋本+森+Margatica
2) 鈴木ちほ
3) エリザベス・ミラー
4) クレイグ・ペデルセン
5) 森田智子
6) 齋藤直子
7) Maresuke+鈴木+Margatica
8) 橋本+ペデルセン
9) 森+ミラー+齋藤
10) 全員
Maresukeさんのベースはアグレッシブで、指でまるでスマッシュをするように弾いた。これが最後になると、柔らかい弓を用いて、実に良い音を出した。
鈴木ちほさんのバンドネオンは、聴くたびに謎めいていてなかなか捉えられない。弾かずに蛇腹を動かすのみという表現が新鮮だった。
クレイグ・ペデルセンのトランペットはメタリックで、ピストンのみを動かして息を吸ったり吐いたりするなど、かなり多彩な表現を行う。これが橋本さんと並んでのトランペット・デュオでは違いが大きく、比較すると、橋本さんのそれが動と情を放っているように聴こえてくる。一方のペデルセンさんは、吹きながらピストン部分の金具を取り解体していくという離れ業をみせた。
音域が異なる木管が並ぶと、それぞれの音色が潰れてしまわず音の塊が創出され、快感を覚えた。齋藤直子さんとは松風鉱一さんに同時期に教わっていたきょうだい弟子だが、ユニークなカーヴド・ソプラノを吹くとは今まで知らなかった。比べて聴くと、森順治さんのアルトの太い道が際立つように感じた。ミラーさんのクラは、息遣いからクラらしい柔らかい音色までを繰り出した。3人で吹くときに、ミラーさんだけ低いロングトーンで攻めたりして、違いを際立たせる工夫がなされていた。
そしてMargaticaさんの張力(自己のそれと外部からのそれ)を感じさせるダンス、森田智子さんの闇を暴きだすようなパフォーマンス。
それぞれ刺激的で面白いものだった。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4