Sightsong

自縄自縛日記

PIP、アクセル・ドゥナー+アンドレアス・ロイサム@ausland

2018-02-02 15:50:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

ベルリン。ドイツに来るのは3度目だがベルリンははじめてである。

せっかくなので、ベルリン在住の奥田梨恵子さんとお喋りをして(Dock 11でのダンスとのコラボレーションに出る前)、そのまま、auslandに足を運んだ。開場は20時だが寒いしちょっと前に入れてもらった。スタッフはふたりとも日本のインプロの場所について知っていて、七針、Ftarri、スーパーデラックス、キッドアイラックなんて名前が出てきた。

■ PIP

Torstein Lavik Larsen (tp)
Frederik Rasten (g)

ラーセンは延々と長い音を吹き、ミュートも使いつつ、音色や強さを変化させてゆく。一方のラステンだが、最初は小さな弓で弦を擦り、この連続的な音のラインを2本にした。そしてギターを横にしてエフェクターも使いつつ、朦朧とさせられるサウンドを作った。この異空間ぶりがなかなかのものであり、時差ボケのわたしは落ちそうになった。

■ アクセル・ドゥナー+アンドレアス・ロイサム

Axel Dorner (tp)
Andreas Roysum (cl)

ドゥナーのプレイを直に観るのは、1996年のベルリン・コンテンポラリー・ジャズ・オーケストラ(BCJO)の来日公演以来だからもう20年以上が経っている(!)。その後日本に何度も来ていたが機会はなかった。

ロイサムのクラリネットは時間軸にすれば長めのうねりを作っている。その横で、ドゥナーはスライドトランペットを使い、「作業」のように奇妙なことを行い、奇妙な音を発し続ける。ピストンを左手で緩め、ピストンを押し、スライドさせ、そのひとつひとつの動きがそれぞれ固有の音となって現れる。また、沸騰するような効果を含め、ヘンな音を次々に提示する。その確信犯的なサウンドに驚きながら凝視した。

ドゥナーはまもなく来日する(2018年2月、4月)。2月は2/12のFtarriと2/15のスーパーデラックスの2回。4月はまだ固まっていないと話していた。

トリスタン・ホンジンガーらと共演した盤を含め、2枚のCDを20ユーロで買った。そういえばたしかIntaktから出たはずの「失望」の新作を聴くことを忘れていた。

Fuji X-E2、Xf35mmF1.4

●アクセル・ドゥナー
「失望」の『Vier Halbe』(2012年)
アクセル・ドゥナー+オッキュン・リー+アキム・カウフマン『Precipitates』(2011、-13年)
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』(2008年)
アクセル・ドゥナー + 今井和雄 + 井野信義 + 田中徳崇 『rostbestandige Zeit』(2008年)
『失望』の新作(2006年)