ジェームス・ブランドン・ルイス+チャド・テイラー『Live in Willisau』(Intakt Records、2019年)を聴く。
James Brandon Lewis (ts)
Chad Taylor (ds, mbira)
『Radiant Imprints』(-2018年)に続くデュオである。ジャズフェスという舞台でのライヴであるだけに演奏者の高揚がもろに伝わってくる。
曲も先のアルバムと共通したものが多い。「Giant Steps」のコード進行も借用した「Twenty Four」、音がぶっとい「Radiance」。「Impressions」、「Lonnie's Lament」にインスパイアされたと思しき「Imprints」と「With Sorrow Lonnie」。2枚のアルバムを聴き比べてみると、どれもJBLのテナーの自由闊達さが明らかに増している。それに呼応してか、チャド・テイラーのドラムスも多様な音で、やはりパフォーマンスを発展させている。一方、前作は手探りの緊張感があるように感じられるのだが、これもデュオを続けてくれているからであり、振り返って聴いてみる楽しさだ。
前作では「First Born」においてチャド・テイラーが親指ピアノを弾いた。本盤ではエリントンの「Come Sunday」がそれであり、アルバムの中ほどで静かに陽光が射してくるような気持ちよさがある。静かなJBLのテナーは音が安定していて揺らぎがない。
●ジェームス・ブランドン・ルイス
ジェームス・ブランドン・ルイス『An UnRuly Manifesto』(JazzTokyo)(2018年)
ジェームス・ブランドン・ルイス+チャド・テイラー『Radiant Imprints』(JazzTokyo)(-2018年)
ジェームス・ブランドン・ルイス『No Filter』(JazzTokyo)(-2017年)
●チャド・テイラー
「JazzTokyo」のNY特集(2018/7/1)
チャド・テイラー『Myths and Morals』(-2018年)
ジェームス・ブランドン・ルイス+チャド・テイラー『Radiant Imprints』(JazzTokyo)(-2018年)
ジェイミー・ブランチ『Fly or Die』(-2017年)
シカゴ/ロンドン・アンダーグラウンド『A Night Walking Through Mirrors』(2016年)
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015、16年)
エリック・レヴィス『In Memory of Things Yet Seen』(2014年)
マーク・リボー『Live at the Village Vanguard』(2012年)
ジョシュア・エイブラムス『Represencing』、『Natural Information』(2008-13年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
マーク・リボー『Spiritual Unity』(2004年)
マーク・リボーとジョルジォ・ガスリーニのアルバート・アイラー集(1990、2004年)
Sticks and Stonesの2枚、マタナ・ロバーツ『Live in London』(2002、03、11年)