高島鈴『布団の中から蜂起せよ』(人文書院、2022年)。
共感しつつも速読してしまうのはこちらが緊急事態ではないからだろうな。けれどもいくつか犬耳を折る箇所があった。
アボリジニの語りを通じて「正史」にのみ陥らないあり方を説いた名著、保苅実『ラディカル・オーラル・ヒストリー』を引きつつ、「視線の再魔術化」が可能ではないかとする問いかけ。なるほど、たしかにドゥルーズ=ガタリふうにいえば新しい「数列」を絶えず創出すること、権力の網から絶えず逃れようとすること。
「山口県から青森県までの徒歩経路を表示したマップ」を前にゴジラと化すのではなく、対象を定めてエネルギーを使わなければならないこと。
「私の時間は私のものだ。抵抗しなくては。できうる限り現実的に。」