調布市せんがわ劇場で演劇『玄海灘』を観てきた(原作:金達寿、脚色:有吉朝子、演出:志賀澤子)。
1943年の植民地朝鮮。日本からの独立運動を行う者も日本に媚びる者もいる。しかしほとんどの者はそのあいだで揺れ動いている。統治側もある者は高圧的、ある者は同情というパターナリズムから抜け出すことができない。断絶をなまなましい形で示す舞台だった。
以前に金達寿の原作を買ったら本人の署名が入っていた。独特の字で、数年前に神奈川近代文学館の「生誕100年・金達寿展」で原稿を見たら、「寿」の丸め方が「み」や「あ」と同じで、嬉しくなってしまった。
●金達寿
生誕100年・金達寿展@神奈川近代文学館
『金達寿小説集』
金達寿『玄海灘』
金達寿『朴達の裁判』
金達寿『わがアリランの歌』