Sightsong

自縄自縛日記

高木元輝の最後の歌

2007-10-08 08:07:34 | アヴァンギャルド・ジャズ
故・高木元輝氏を撮った昔のネガを見つけたので、ついでにプリントした。

2000年4月21日、渋谷のライブハウス(名前を忘れたが、ON AIR 何とかのビルの上にあった)で観た。高木元輝という名前は私にはレコードとCDに刻まれたもので、もう東京では10年くらい演奏していなかった。その高木元輝が、フェダインや渋さ知らズで活躍していた不破大輔(ベース)、大沼志朗(ドラムス)とのトリオで、関東では久しぶりに演奏するということは、私にとっては大事件だった。

好きな録音には、高柳昌行との『Call in question』、富樫雅彦との『We now create』『略称・連続射殺魔』、吉沢元治との『深海』、豊住芳三郎との『藻』、自己のグループでの『モスラ・フライト』(これは死後の再発CDで聴いた)なんかがある。

ライブハウスはせまいところで、観客は10人か20人くらいだったと思う。「サックスを始めたが、お金がない。チャーリー・パーカーのモザイクのボックス・セットを取り置きしてもらっているが払えない。」という観客のひとりが、演奏者に許可を得て録音していたので後で聴かせてくれるよう約束したがそのままだ(笑)。

高木元輝のサックスは、過去の録音で感じた以上に、繊細で剛い音を放っていた。轟音のなかで演奏した、オーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」は素晴らしかった。演奏後、サインをもらいに挨拶すると、「サインなんて照れちゃうな!」とはにかむ様な笑顔を見せたことが印象的だった。「また聴きに来て」ではなく、「また逢いましょう」と言って握手をしてくれたあと、2年もしない2002年末に、高木元輝は亡くなった。

このライブの1年後に録音された『2001.07.06』が、メンバーが不破大輔(ベース)、小山彰太(ドラムス)とほぼ共通していて、雰囲気も近い。発売時には、これで本格的に復帰して、CDも出すようになったのだと思っていたのだが。

ドラマー・のなか悟空による思い出話が面白くて悲しい(→リンク)。


高木元輝 Pentax MZ-3、FA50mmF1.4、TMAX3200、フォルテ・ポリウォームトーンプラスRC、2号フィルタ使用


不破大輔 Pentax MZ-3、FA50mmF1.4、TMAX3200、フォルテ・ポリウォームトーンプラスRC、2号フィルタ使用


高木元輝 Pentax MZ-3、FA50mmF1.4、TMAX3200、フォルテ・ポリウォームトーンプラスRC、2号フィルタ使用


高木元輝と大沼志朗 Pentax MZ-3、FA50mmF1.4、TMAX3200、フォルテ・ポリウォームトーンプラスRC、2号フィルタ使用



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (sightsong)
2019-02-12 16:02:18
不破様
ありがとうございます。それはどきどきします。後ほどメールいたします。
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高木さん (不破大輔)
2019-02-12 15:58:05
以前写真をいただきました。
この日の演奏のテープが出てきました。

前に使っていたPCが壊れてしまい
メールや連絡先が
すっかり分からなくなってしまいました、
もしよかったら
メールください。
お手数おかけしますが
何卒よろしくお願いいたします。
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Unknown (Sightsong)
2009-05-02 23:16:57
YKさん
>フリージャズは奇人変人の嗜好品。
いやいや(笑)。抑圧される悦びがなくても。
ジャズの商売雑誌とか、明らかに狭い視野しか持たない偏屈な推薦本とか読まなくなって久しいので、最近の話題はどんなものなのかわからなくなりました。これはこれでデメリットです。
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Unknown (YK)
2009-05-02 22:09:14
素晴らしい写真で毎度感激しております。紙ジャケ収集おじさん、スタンダード中心のピアノトリオや癒し系ボーカル、ファンクなリズムのCLUBJAZZで若い衆にアピール、または「天才児」の大安売り。JAZZの老舗専門誌も「売らんかな」で大変ですね。フリージャズは奇人変人の嗜好品。隠れキリシタンのように家人にも疎まれながら、ヘッドホンで聴く『モスラ・フライト』傑作ですね。
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