ブルーノート東京(2019/9/4、2nd set)。
Charles Lloyd (ts, fl)
Gerald Clayton (p)
Julian Lage (g)
Reuben Rogers (b)
Eric Harland (ds)
チャールス・ロイドのプレイを観るのは同じブルーノートで2年半ぶりであり、その分たしかに老いた。ロイドのコアは、その後に続く「だが」の部分である。装飾音を抽出して中心に据えてしまった過激さが、それだけを悠然と演ることでさらに進んでいる。自分よりもかなり若い腕利きプレイヤーたちの演奏を楽しみ、歩き回り、その辺のソファに日常生活のごとく座っていたりする。あまりにも自由だ。そして佇まいがそのまま音である。
初めてナマで観るジュリアン・ラージにはかなり驚かされた。尖ってばりばりと技巧を見せつけるのかと思いきや正反対。周りに溶け込むのに鮮やかさが傑出しており、その都度、みごとな絵画を見せられるような演奏だ。ブルースもみごと。
いままで良い印象がなかったジェラルド・クレイトンは、ピアノならではの存在感を示した。エリック・ハーランドは持ち時間でバスドラムから色彩を増してゆくソロで魅せた。リューベン・ロジャースはまろやかな音、演奏後には感極まって涙を流していた。
本当に素晴らしいステージを堪能した。ここまでコミュニティとして高みにのぼることができる音楽とは。
●チャールス・ロイド
チャールス・ロイド@ブルーノート東京(2017年)
チャールス・ロイドの映像『Arrows into Infinity』(2013年)
マイケル・ラドフォード『情熱のピアニズム』 ミシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー(2011年)
原将人『おかしさに彩られた悲しみのバラード』、『自己表出史・早川義夫編』(1968、70年)