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自縄自縛日記

市田良彦『ルイ・アルチュセール ― 行方不明者の哲学』

2019-09-06 08:11:54 | 思想・文学

市田良彦『ルイ・アルチュセール ― 行方不明者の哲学』(岩波新書、2018年)を読む。

「出来事」、あるいは廣瀬純氏によれば革命。無数のそれらが偶然の出逢いや偶発時のように並行し、雨のように降っている。

スピノザはすべてを神の創造する世界として見た。しかしアルチュセールはスピノザを「ねつ造」し、その認識という過程をスピノザとは別のあり方で差し挟んだ。デカルト的な認識ではない、われわれは互いに雨粒なのだから。ここに無数のアーカイヴの可能性を説いたフーコー(『知の考古学』)への影響があるという。

また、誰もが行方不明者であり無数の一であるがゆえに、我はと声をあげる者は狂っており、「出来事」であり、ひょっとすると「革命」である。その「出来事」や「革命」も本質的に固有名詞付であり、だから存在とは本質的に狂っている。どのような歴史の語りも狂っている。われわれは皆狂っている。

そのようにこの狂った書物を読んだ。

●参照
廣瀬純トークショー「革命と現代思想」
ジル・ドゥルーズ『スピノザ』スピノザ『エチカ』


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