李政美『わたしはうたう』(オフィスとんがらし、1997年)を聴く。いぢょんみさんの最初のCDである。
李政美 (vo)
矢野敏広 (g, mandolin)
HALMA GEN (key)
和田啓 (クンダン, perc)
ゲスト:
向島ゆり子 (fiddle)
広瀬淳二 (ss)
塚本晃 (harmonica)
村山二朗 (篠笛)
宮崎節子 (チャング)
もうこのときから、歌声には堂々として湿り気があって、また聴きに行きたくなる。
金子みすゞの詩に李さんが曲を付けた「星とたんぽぽ」「わたしと小鳥とすずと」も良いのだが、何といっても、名曲「京成線」である。その歌詞「低い鉄橋のその下には/埋もれたままの悲しみ眠る」は関東大震災で虐殺された人たちのことであり、「川向うから吹く風は/なつかしい匂い運んでくる」とは皮革工場の匂いのことなのだという。(李さんのご両親は済州島生まれである。)
ところで、驚いたことに、12曲目「祈り」には広瀬淳二がソプラノサックスで参加している。さぞヘンな世界を創り出しているだろうと期待したが、普通の演奏だった。
●李政美
板橋文夫+李政美@どぅたっち(2012年)