本八幡のcooljojoに大スター・渡辺香津美が来るという。しかも響きのいいハコ。これは行かねばならぬと駆けつけた(2017/3/24)。
Kazumi Watanabe 渡辺香津美 (g)
Koko Tanikawa 谷川公子 (p)
パートナーとの谷川公子とのデュオ「Castle in the Air」。よく考えたら、カズミのライヴを観るのは、『おやつ』(1994年)リリース後の新宿ピットイン以来のような気がする(記憶が曖昧)。何でも、谷川公子の曲もその盤から演奏しているようである(「Mission St. Xavier」)。
カズミはギターを4本持ち込んだ。シンセのようなヘンな音が出るものなどもあったが、半分はガットギターによる演奏。それにしても冗談のように巧い。まるで刺激があるサウンドではないが、ともかくもリラックスする。
曲は、ラルフ・タウナーの「Icarus」、「G線上のいるか」(実は「On Green Dolphin Street」)、ラリー・コリエルの「Zimbabwe」(カズミはコリエル、ジョンスコ、ジョー・ベックの演奏をコピーしており、初対面のコリエルに驚かれたという)、ジャンゴ・ラインハルトの「Nuage」~「Minor Swing」、エグベルト・ジスモンチの「Infancia」、映画音楽「New Cinema Paradise」、そして、「Light & Shadow」、『おやつ』でラリー・コリエルと共演した「Nekovitan X」、「Mission in the Sand」、「Mother Land」、「Eagle's Eye」、「Beautiful Village」、「Sea Dream」といったかれらのオリジナル。
カズミがここで演奏したのは千葉県在住ということもあるが、かつて師事した高柳昌行のアルバム名を冠しているからでもある。中牟礼貞則に師事し、レコードも出したあとになって高柳塾に入ったとき、さぞ怖い人かと思いきや、塾生にスイカを振る舞って「このスイカ、イカスだろ!」とベタなダジャレを言ったのだとか。高柳塾では作文も書かされ、また、アドルノなども読まされたのだという(全然何が書いてあるかわからなかったと笑っていた)。