Sightsong

自縄自縛日記

吉野弘志@アケタの店

2019-10-06 11:01:57 | アヴァンギャルド・ジャズ

西荻窪のアケタの店(2019/10/5)。

Hiroshi Yoshino 吉野弘志 (b)

吉野さんのコントラバスの音は吉野さんの声と似ているから不思議なものである。そして音に対するこだわりが半端ない。

この日は完全ソロ、しかも録音しているとあって、少し緊張しながらじっくりと聴いた。短いオリジナルでのイントロのあと、テレビドラマの「Mary Hartman, Mary Hartman」、オーネット・コールマンの「Round Trip」、セロニアス・モンクの「Ask Me Now」、「Where Are You?」、「All The Things You Are」、アメリカ民謡の「Shenandoah」(!)、それからタジキスタンやトルコやモロッコの古典曲。

素晴らしい倍音にはいつも魅せられてしまう。終わり方が潔いのも好きである。

ちょうど与之乃さん(琵琶)の相方のbunchinさんがいらしていて、話していると「吉野さん」「与之乃さん」「ヨシノさん」となにがなんだかわからない感じになった。

●吉野弘志
西島芳 triogy@本八幡cooljojo(2018年)
西島芳 triogy@下北沢Apollo(2018年)
吉野弘志+中牟礼貞則+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
向島ゆり子『Right Here!!』(1995-96年)
ジョセフ・ジャーマン


金徳洙『枝鼓散調』

2019-10-05 12:22:39 | 韓国・朝鮮

金徳洙『枝鼓散調』Gogeum Production and Entertainment、-2018年)を聴く。

Kim Duksoo 金徳洙 (janggu)

サムルノリの金徳洙(キム・ドクス)によるチャング・ソロ。

なるほど、長短間の呼吸と長短の流れ。叩いた音も響きも一様ではない。これを生命になぞらえる人がいるのも不思議ではない。


森剣治『Plays the Bird』

2019-10-05 11:26:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

森剣治『Plays the Bird』(Offbeat Records、1976年)を聴く。

Kenji Mori 森剣治 (as)
Tetsujiro Obara 小原哲次郎 (ds)
Nobuyoshi Ino 井野信義 (b)

確かに「Donna Lee」や「Perdido」にチャーリー・パーカーの小気味いいブルースのフレーズが出てくるのだけれど、それを追いかけている印象はまるでない。すべて取り込んで自身の歌を余裕を持って繰り出している。アルトの鳴りも最高に良い。

他の人の影響もあるのかな。「Just One of Those Things」において、井野さんのベースがぐいぐいとトリオを駆動する中で変わったフレーズを積み重ね、最後にテーマをもってくる芸なんてリー・コニッツ『Motion』を思わせるし、「Perdido」においてはソニー・ロリンズの「St. Thomas」でのリフの繰り返しを誰でも思い出すだろう。それも全部森剣治。

なんで今まで聴かなかったんだろう。


デレク・ベイリー+ハン・ベニンク+エヴァン・パーカー『Topographie Parisienne』

2019-10-05 10:15:58 | アヴァンギャルド・ジャズ

デレク・ベイリー+ハン・ベニンク+エヴァン・パーカー『Topographie Parisienne』(Fou Records、1981年)を聴く。

Derek Bailey (g)
Han Bennink (ds, all other instruments)
Evan Parker (ts, ss)

驚愕の発掘4枚組。しかも同じ日(1981/4/3)に録音されたものである。

タイトルは明らかに同じトリオによるエヴァン・パーカーの作品『The Topography of the Lungs』(Incus、1970年)を意識したものである(わたしの持っているものはpsiが再発したCDであり、オリジナルジャケットは中のスリーブに印刷されている)。どうやらこのトリオによる録音は意外にも少ないようだ。このうちふたりのデュオや大編成での共演を除けば、1970年から81年までの間には、1977年の『Company 6』における5分程度の演奏があるのみだという。しかもそのCD盤は『Company 7』とのコンピ盤『Company 6 & 7』であり、トリオの録音は収録されていない。

聴いてみると文字通り3人とも全盛期としか思えない演奏であり、『The Topography of the Lungs』と甲乙つけがたい。むしろ録音時間が長く、音やインタラクションが多彩で、デュオやソロも収録されている本盤の方が愉しめるかもしれない。

エヴァン・パーカーはエネルギーの奔流だけでなく、音色も力も押し引きが実に柔軟である。マルチフォニックも何がどうなっているんだろうという異次元さだ。デレク・ベイリーのギターは音空間を無調で刻む存在感だけでなく、ときに無類の明るさやきらめきもみせて信じられない思いがする。ハン・ベニンクはトロンボーンやピアノやハーモニカや口笛も交え、やはり噴出させるエネルギーには大きすぎる余裕を伴っている。

観客も笑っている。最高だっただろうな。

●エヴァン・パーカー
シュリッペンバッハ・トリオ+高瀬アキ「冬の旅:日本編」@座・高円寺(2018年)
デイヴ・ホランド『Uncharted Territories』(2018年)
エヴァン・パーカー@稲毛Candy(2016年)
エヴァン・パーカー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2016年)
エヴァン・パーカー@スーパーデラックス(2016年)
エヴァン・パーカー、イクエ・モリ、シルヴィー・クルボアジェ、マーク・フェルドマン@Roulette(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
シルヴィー・クルボアジェ+マーク・フェルドマン+エヴァン・パーカー+イクエ・モリ『Miller's Tale』、エヴァン・パーカー+シルヴィー・クルボアジェ『Either Or End』(2015年)
エヴァン・パーカー+土取利行+ウィリアム・パーカー『The Flow of Spirit』(2015年)
エヴァン・パーカー+土取利行+ウィリアム・パーカー(超フリージャズコンサートツアー)@草月ホール(2015年)
マット・マネリ+エヴァン・パーカー+ルシアン・バン『Sounding Tears』(2014年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
エヴァン・パーカー+ジョン・エドワーズ+クリス・コルサーノ『The Hurrah』(2014年)
ジョン・エスクリート『Sound, Space and Structures』(2013年)
『Rocket Science』(2012年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』(2008年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Gold is Where You Find It』(2008年)
エヴァン・パーカー+ノエル・アクショテ+ポール・ロジャース+マーク・サンダース『Somewhere Bi-Lingual』、『Paris 1997』(1997年)
エヴァン・パーカー+ネッド・ローゼンバーグ『Monkey Puzzle』(1997年)
エヴァン・パーカー+吉沢元治『Two Chaps』(1996年)
サインホ・ナムチラックとサックスとのデュオ(1992-96年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981-98年)
スティーヴ・レイシー+エヴァン・パーカー『Chirps』(1985年)
エヴァン・パーカー『残像』(1982年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Detto Fra Di Noi / Live in Pisa 1981』(1981年)
カンパニー『Fables』(1980年)
『Groups in Front of People』の2枚(1978-79年)
シュリッペンバッハ・トリオ『First Recordings』(1972年)

●デレク・ベイリー
今井和雄 デレク・ベイリーを語る@sound cafe dzumi(2015年)
デレク・ベイリー晩年のソロ映像『Live at G's Club』、『All Thumbs』(2003年)
デレク・ベイリー『Standards』(2002年)
ウィレム・ブロイカーが亡くなったので、デレク・ベイリー『Playing for Friends on 5th Street』を観る(2001年)
デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』(2000年)
デレク・ベイリーvs.サンプリング音源(1996、98年)
デレク・ベイリー+ルインズ『Saisoro』(1994年)
田中泯+デレク・ベイリー『Mountain Stage』(1993年)
1988年、ベルリンのセシル・テイラー(1988年)
『Improvised Music New York 1981』(1981年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
カンパニー『Fables』(1980年)
デレク・ベイリー『New Sights, Old Sounds』、『Aida』(1978、80年)
カンパニー『Fictions』(1977年)
『Derek Bailey Plus One Music Ensemble』(1973、74年)
ジャズ的写真集(6) 五海裕治『自由の意思』
トニー・ウィリアムスのメモ

●ハン・ベニンク
ICP+Waterlandse Harmonie@アムステルダムBimhuis(2019年)
ハン・ベニンク『Adelante』(2016年)
ハン・ベニンク@ディスクユニオン Jazz Tokyo(2014年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ハン・ベニンク『Parken』(2009年)

ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
イレーネ・シュヴァイツァーの映像(2006年)
ハン・ベニンク キヤノン50mm/f1.8(2002年)
ハン・ベニンク+ユージン・チャドボーン『21 Years Later』(2000年)
エリック・ドルフィーの映像『Last Date』(1991年)
ICPオーケストラ『Bospaadje Konijnehol』の2枚(1986-91年)
レオ・キュイパーズ『Heavy Days Are Here Again』(1981年)
レオ・キュイパーズ『Corners』(1981年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
ウェス・モンゴメリーの1965年の映像(1965年)
ミシャ・メンゲルベルク『Driekusman Total Loss』(1964、66年)


JOJO広重+ナスノミツル@荻窪ベルベットサン

2019-10-04 00:55:24 | アヴァンギャルド・ジャズ

荻窪のベルベットサン(2019/10/3)。

JOJO Hiroshige JOJO広重 (g, vo)
Mitsuru Nasuno ナスノミツル (b)

ぱっくりと開いた傷口からどくどくと流れ出す血のノイズ。JOJO広重の指はときに頭を撫でるようでもあり、ときにヒョードルのように勢いをつけて殴るようでもあり。その濁流に入って時間もとらえては放し、下から擾乱するナスノミツルのベース。素晴らしい。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4

●JOJO広重
JazzTokyoのクリス・ピッツィオコス特集その2(2017年)
クリス・ピッツィオコス+吉田達也+広瀬淳二+JOJO広重+スガダイロー@秋葉原GOODMAN(2017年)
三上寛+JOJO広重+山本精一『Live at Koenji Show Boat, 2005.8.12』(2005年)

●ナスノミツル
植村昌弘+ナスノミツル+坂口光央@千駄木Bar Isshee(2014年)
本田珠也SESSION@新宿ピットイン(2014年)