森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ホウノキの不定根

2006年05月10日 | 自然観察日記
 菩提寺山散策道で見かけた面白い植物の生態の一つ。ホウノキの二股に分かれるところ(腋)から何かしらの原因で腐れがはいって材が腐敗してしまったようだ。中心材がここからおそらく数十cm範囲で半ば腐植土のようになったためか、ホウノキの表面の生育部から根が発生し、この腐植土の中に根を伸ばし始めたようである。
 地上から1.5m位の高さのところであるが、このまま根が下へと伸びた場合、ホウノキ自身の中心材の中に根が入り込むことになるのだが、中心材は死んだ組織であるとはいえ機能している組織であるから、はたしてどのようなことになるのか興味深い。自らの組織の中に自らが伸びていく・・・・。ある種のジレンマをどう克服するか?