森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

八王子のシロフジ(マメ科)

2006年05月13日 | 自然観察日記
 越後は今がフジの盛り。山の各所に紫色の房が垂れ下がっている。サクラと同じくらいに日本人はフジを好む。各地にフジの名所が作られていて、藤祭りなどが開かれる。鉢植えで上手に花を咲かせている方も多く庭にもなかなかの銘木が散見される。
 ところで、このフジは新潟県燕市の八王子というところにあって「八王子のシロフジ」といわれ県の記念物に指定されているものである。樹齢300年余と推計されていて、およそ10m×20mくらいの広がりで見事な花を見せてくれる古木である。臭いが強く、この時期は当たり一面に香りを放って圧巻である。
 この「シロフジ」は「フジ」の突然変異で生じた白化品種で「フジ」であるが、混同しやすいものに「ヤマフジ」がある。これは普通白い花であるので「シロフジ」というと「ヤマフジ」をさす。その違いは花穂の長さであるが、写真のように細長いのは「フジ」で、短く花穂の先が長く伸びないのが「ヤマフジ」である。