森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミツバアケビ(アケビ科)

2006年05月11日 | 自然観察日記
 越後は山菜の真っ盛りである。なかでもこのミツバアケビの新芽を「きのめ」と呼んで地元でも非常に人気が高い。私の家内もこの「きのめ」だけは大好きで、採ってきてとせがむほどだ。ほろ苦く歯ざわりのよさが好きなのだろう。
 ところで、越後にもアケビの仲間は3種あって特に旧新津方面の海岸に近いほうには一緒に見られることがある。5枚葉で全縁のアケビと三枚葉のミツバアケビ、それにこの雑種と思われる5枚葉でふちが波打つゴヨウアケビである。三種の花のほうは、アケビはうすい紫、ミツバアケビは写真のような濃紫、ゴヨウアケビはう中間の紫色となり二者の雑種というのがわかる。さらに、ゴヨウアケビは果実が出来ないという。動物で言うとライオンとヒョウをレオポンといい子供が出来ないというのに似ている。自然界における不思議の一つだ。
 雪深い長岡辺りはミツバアケビしか見ないが、山菜としてはこれが一番美味しい。今年もたくさん頂くことにしよう。長岡は山菜に恵まれたところなのである。