森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

イワシャジン

2012年12月09日 | 自然観察日記
ツリガネニンジン属でもう一種。珍品のイワシャジンです。稜線上の2ケ所で見ました。崖の上部強い風が当たる一方でやや日当たりが悪く適度に湿気のある場所で、垂れ下がるような形で生育していました。この高山形とされるのがホウオウシャジンなのだそうです。草丈は50~60cmはある個体もありました。ヒメシャジンよりもっと葉が細く日陰を好むようです。実はこの花は写真に撮るにはかなり危険な場所にあって、内心ハラハラしながらの一枚なのです。もちろん初めて出会う種で夢中で写真に収めた次第です。中部山岳地帯に点在する貴重な花です。いい思い出になりました。

イワシャジン むかご?

2012年12月09日 | 自然観察日記
十分花を見せてもいい大きさの個体ですが、先端にはなにやらむかごのような塊がついています。手の届くところでなく、かなり危険でありましたから手にすることができずカメラに収めるしかありませんでした。実は同じようなものを里山で見ています。それはコオニユリの刈り払いにあった個体で、頂芽(花芽)を失った上部先端にむかごを形成していたのです。コオニユリはむかごのことはほとんど知られていません。このイワシャジンもむかごの記載は簡単に調べた範囲では載っていませんが、何かの原因で頂芽が失われた後にコオニユリのようなむかごを作ったのではないでしょうか。私にはそのように見えたのです。劣悪な環境に生きる術として花より無性生殖のむかごの生産のに重きを置いているのではないでしょうか。