森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

崖に生えるコメツガ

2012年12月10日 | 自然観察日記
12月は夏に調査に入った鳥甲山(長野県栄村)の植物をネタにブログの更新をしています。思い出しながらの記述ですが、ちょうどいい振り返りになっていて書きながら新たな気づきになっています。
鳥甲山の登山道は、秋山郷の中津川に面して尾根筋につくられていて、切明側から屋敷側に抜けました。中津川側が切り立った断崖になっています。登りの途中には至る所が崖を覗けるようになっていて晴れていればなかなかの展望が望めます。
何種類かの針葉樹も自生していて、このような崖にもコメツガへばりついていました。しかし、この崖は時間とともに崩れているようで、いつかは根ごと谷に落ちていくような気がします。

晴れ間に覗いた崖

2012年12月10日 | 風景
この日は天気が安定せず雨模様の一日でしたが、それでも一時は雲が切れて下界が見渡せる時もありました。そんな時間帯に崖を上から覗き込んだものです。絶壁と言っても若い頃にこの崖を下から登ってきたというK氏の話には驚嘆させられました。今はやや高齢の同行者(複数)はその昔「超人」と言ってもいいほどの面々なのです。単純な登山家ではなくて植物を調べるという目的を持っての山行で道なき道を進んだという話をしてくださいます。私など足元にも及ばない先輩たちがいるのです。

ミヤマハンノキ

2012年12月10日 | 自然観察日記
亜高山から高山にかけて生育するカバノキの仲間。高木にはならず地を這うような樹形をする株立ち状の低木です。風の強い環境に生育するためでしょうか。葉は広い楕円形で細かな鋸歯があるものの前種ヤマハンノキの波打つような鋸歯ではありません。ハマウツボ科のオニクが寄生する樹としても有名ですが今回はオニクを見ることはありませんでした。