今回の一番の目玉の花と言えばこのタカネマツムシソウでしょうか。山頂下の稜線のガレ場にその生育の中心があって量は多いというほどのものではないものの十分楽しめる存在でした。本来ならこういう場に来なければ見れない種ですが、今では園芸化されて比較的身近になってきてはいます。そういう意味で人にマツムシソウを見てきたなどと話してもあまりインパクトがないのが残念ですね。
花は外側に並ぶ花弁の一部が大きくなった舌状花と中央に並ぶ花は花弁が同じ大きさ(管状花)からできているので、キク科に近い種であることがわかります。細かく言えば葯が合着していないこともキク科との区別点ですが、一見してキク科とは異なるというのがわかりますね。
タカネマツムシソウは色が素晴らしいです。低地草原性のマツムシソウにはない色彩ではないでしょうか。草丈も低く豪華ですから園芸化したくなる気持ちもわかります。今回私は本物を本来ある姿で観察できたことにとても満足しています。
タカネマツムシソウは色が素晴らしいです。低地草原性のマツムシソウにはない色彩ではないでしょうか。草丈も低く豪華ですから園芸化したくなる気持ちもわかります。今回私は本物を本来ある姿で観察できたことにとても満足しています。
中央部分の管状花です。花弁の切れ込みは同じで突起は5個。舌状花との違いが際立ちます。一つの花と考えているのが実は多数の花の集合でそれも形態機能が異なるものが秩序だって配列していることに驚きをかんじますね。
尾根を踏破した翌日崖下に伸びる雪渓まで足を延ばして植物の観察をしたのですが、その雪渓に崖から崩れ落ちてきた様々な植物転がっています。このマツムシソウもその一つで山頂直下からここまで落ちてきたことになります。これらの植物の運命は適応しないで死滅していくんのがほとんどなのでしょうが、中にはしぶとく適応して沢筋に生き残るものがあります。この沢でタカネマツムシソウの自生状態のものは確認できませんでしたが他の種で生き残こっているものがありました。