森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヒマラヤシーダー

2014年03月10日 | 自然観察日記
平野部の雪は例年になく少なく雪消えは早いもののまだアウトドアには不向きな時期です。雪山散歩も何回かおこないましたが、例年観察しているものばかりで、特段新しく気付いたものもがなくてリアルタイムのブログ更新をしたくてもしにくい季節です。とはいっても過去の記録を基にした記事もそろそろ飽きてきていますからカメラを持っては出歩いているのですが・・・。
 街中にあるヒマラヤシーダーが目に留まりました。どこにでもある公園樹ですから目新しくもないのですが、まだ昨年の果実が残っているのに気づきました。この果実はちょっとした工作に利用されていますからその筋の人には貴重なものなのです。何本か20m以上の高木が並んで植えられているのですが果実が見れれるのは2本ほどで他にはないようでした。根元を一通り歩いて落ちていないか・・探しましたがありません。いろいろな樹木で感じることがあります。沢山実を付ける個体がある一方ほとんどつけない個体があうということ。両性花を持つ種でも一様ではないという事実があります。樹木の多くに雌雄があるとされていますが、もともと植物に動物的な性を当てはめるのは問題があるのですが、両性花を持つ種でも次第に雄的、雌的に進化していく・・・。それがやがて雄花だけの個体、雌花だけの個体に進化しいわゆる雄株雌株を持つ種になっていく・・・。などと考えています。この、ヒマラヤシーダーも果実を付ける個体とつけにくい個体が存在するように見えました。

ヒマラヤシーダーの果実は崩れやすい

2014年03月10日 | 自然観察日記
一見丈夫そうな果実ですが、この季節はとても崩れやすくなっています。お椀状になった底にちょっと膨らんだものが種子で一つの果実にかなりの量の種子が入っています。種子には小さな「羽根」が付いていますから、果実が崩れて種子が舞い散るという仕掛けになっています。

果実の先端部分

2014年03月10日 | 自然観察日記
果実は崩れても基部はしばらくは残っていますが、先端部分は落下します。この部分があまり崩れないで状態で地面に残っていてますが、これをこのままそっと乾燥させると「バラの花」のようないわゆるシーダーローズといわれるものになります。これを接着剤などで固定して飾り物にするとなかなか素敵なものになるのですね。
最初にシーダーローズを見たときは何の実か見当もつかなかったのですが、今では人に教えたりしてちょっとした工作にもいそしんでいます。

ヒマラヤシーダーの雄花

2014年03月10日 | 自然観察日記
雄花というより昨年の雄花の花序だったものです。この花序を落ちているものを集めて新聞紙に広げて乾燥させたことがあります。すでに、落ちてかなり時間がたったはずなのですが、なかからおびただしいほどの花粉が出てきてコップ一杯も集めたことがあります。地上に落ちずに空中に飛散されたならスギ花粉に並ぶほどの存在になるかも?で、あまりの多さに驚いたことがありました。