森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

晩秋の十国峠の雑木林 ①

2014年03月18日 | 風景
越後はまだ深い雪の中。里山の冬山散歩もそろそろマンネリで新鮮な気付きが少なくなってきました。早く春の息吹が欲しいのですが、もうしばらくの辛抱。休日に春の早い関東圏に出向こうにも今年は2月の想定外の大雪で事前に計画していた場所は今の越後と似たり寄ったりで残雪に泣かされているのだそうです。
もうしばらくは、過去の資料を引っ張り出しての更新になります。関東の大雪で思い出したのが、群馬県と長野県の県境にある十国峠です。昨年の11月に訪れたものですが、いくつかの写真を見ながらここで見つけたものや気づきなどを思い出しました。
海抜1360mの峠にはなかなか立派な展望台があるのですが、国道にしては狭い感じで行きかう車はほとんどありません。この写真は展望台の反対側の雑木林です。コナラミズナラなどの樹種が多いのだとは思いますが(しっかりとした確認はしていません)、すでに葉はなく非常に明るいこの季節ならではの景観です。

晩秋の十国峠の雑木林 ②

2014年03月18日 | 風景
車を走らせて感じていたことがあります。海抜の低いところはスギなどの植林も多いのですが、峠の前後にはカラマツの植林が目立って多くなります。雑木林として残されている場所は分断され人の手が入っている感じです。原始の面影を持っている場所はまったくといっていいほどありません。1000mを超す海抜の地域でも里山の雑木林という感じの2次林のようですが、見慣れた越後の雑木林とかなり様子が異なります。低木がないのです。林床を覆うササ類やヒメアオキやユキツバキなどの常緑性の灌木類に至ってはとうとう気づきませんでした。峠近辺の狭い範囲での特異な現象なのか、あるいは頻繁に人為作用があって除かれたのか・・・。越後ほどではないにしてもこの山域も積雪はあるのではないかと思いながらの宿題になっています。