森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

シロヤシオを訪ねて

2015年02月01日 | 自然観察日記
栂池の話は一応終わりにして、今日から那須高原で見た植物について取り上げたいと思います。昨年、久々に訪れた那須高原はちょうどツツジ類の盛りで新潟にはないいくつかのものを見ることができて貴重な体験をしました。
スキー場にもなっている那須マウントジーンズという尾根にシロヤシオの大きな群落があると聞いていて、是非是非訪れたいと思っていました。少し前に赤城山の覚満淵の付近でアカヤシオを見ていましたから、その対比という意味もありました。
ゴンドラに乗って10分、天然記念物にも指定されてもいいほどのロヤシオの大群落が1400mほどの山域に形成されていて遊歩道が整備されおよそ一時間で周回できます。ゴンドラの山頂駅あたりは展望もよくドックランまであり多くの人が訪れていました。

シロヤシオの樹林

2015年02月01日 | 自然観察日記
場所によっては樹高10m近く幹回りは30cm位の樹も見られる見事な樹林です。尾根筋に当たり積雪もありそうですから樹幹が曲がったり斜上しているものもあります。概して6~7m位の樹木が多いようでした。樹齢の推定は不確かですが一節1年かかる成長速度から考えれば、300年以上ははかかっていると思います。花の季節で葉は十分に展開していませんし、混在する木々もまだ眠った状態で林床は明るい森です。

シロヤシオの花

2015年02月01日 | 自然観察日記
シロヤシオを知った最初は学生の頃、静岡の寸又峡にある沢口山という山に出かけたときです。当時引率してくれたS先生が、尾根筋で五枚の葉を持つツツジをゴヨウツツジ(シロヤシオ)とうのだという解説をおこなってくれてました。夏の盛りで花はなく樹も低木でせいぜい2m。その時の話が強烈な印象を与えられたためか、以後脳裏に焼き付き憧れの樹になってしまいました。
花を見たのその3年後、同じ静岡の竜馬岳という1500mほどの山でした。当時、営林署が天然の雑木林の斜面を切り開いてカラマツを植えるという植林を盛んにやっていて、これをやめさせるべくちょっとしたパホーマンスがありこれに参加した時でした。アカヤシオとシロヤシオがともにあり、特にシロヤシオの大木には度肝を抜かされました。径は30cmを超え、樹高10m程度、枝の張り方も有に10mくらいはあったように記憶しています。見事な大木で、「これがツツジなのか!」といまだに当時の感動が思い出されます。満開の花で、言葉になりません。アカヤシオとシロヤシオが同じ場所に咲く様は他にはなかなかないような気がします。

シロヤシオの花拡大

2015年02月01日 | 自然観察日記
純白な白い花で花弁は均等で花柄が長くぶら下がる感じです。当時、S教授は「ちょうちんツツジ」という言い方もされていました。葉が幾分展開してくるのと、色が白いため清楚とか純粋無垢とかいうイメージです。

シロヤシオの葉

2015年02月01日 | 自然観察日記
シロヤシオは東北から南の太平洋側の山地(主にブナ帯)に自生する大型のツツジ。葉が5枚輪生するためにゴヨウツツジともいいます。葉の縁が赤味を帯びたて色づき、これもなかなか魅力的なものです。葉の中心に次年度の芽を作りますが、1年に一節だけの成長をするため、せいぜい10cmくらいの成長にしかなりません。

シロヤシオの幹

2015年02月01日 | 自然観察日記
この個体で約25cm径ぐらい。樹皮がはがれる個体は老木として扱われます。新潟にない樹ですから、新潟育ちの人にシロヤシオを見せると驚嘆すると思います。ツツジのイメージが変わります。