若いころ渓流釣りに夢中になった時期があります。山奥の渓谷を岩づたいに進んでいた時に目の前にミヤマカラマツが咲いていて、水と岩と白い花が実にいい取り合わせになっていた場面を思い出します。私にとってミヤマカラマツは渓流釣りと結びついている思い出の花になっています。当時は結構釣果があったものですが、入渓者の増加と共に少なくなりました。それに伴い私はイワナを追うより渓流の花や景観を追う方向に行ってしまってハンターの足を洗うはめになりました。このカラマツソウも急峻な沢に面した岩場に生育していたものです。もっと低山の雑木林の林床にもあるとされますが、ミヤマカラマツは深山幽谷に似合う花のような気がします。
あまり大きな株ではなく、最近この場所に根付いた個体のようです。花数は少なくようやく開花株になった・・・?とはいってもここまで来るのに数年はかかっていることと思います。珍しい花とか綺麗な花だとつい、掘り起こして自分のそばに置きたくなる人が多いのでしょうが、九分九厘枯死しますから自然のものはそっとしておくべきです。花に会いたければまた来ればいいことなのです。