森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

トチノキの実生

2015年02月22日 | 自然観察日記
崖を削って造られた山道、上から小石などが落ちて堆積し少し小山になっている場所にスーッと伸びている芽。トチノキの実生です。種子が大きく蓄積した栄養が多いせいで伸びあがる速度や高さが群を抜いています。種子の大きい種の戦略が分かりますね。とにかく早く上に伸び上って光を得ようとする姿です。トチノキは渓谷沿いの湿潤な場所に生育する樹で巨木になり独特な景観を作ります。

トチノキの幼木

2015年02月22日 | 自然観察日記
実生があった並びに昨年あたりに発芽したのでしょうか、幼木がひしめいていました。この崖の上に親木があるのでしょ。結実した後の種子が斜面を転がって同じ場所に落ちてきたようです。山道ということもあり、光条件が良いのでしょう。ことごとく発芽して仲間同士の厳しい競争が起こっているようです。大量に作られる種子も発芽すれば厳しい競争にさらされ、生き残り次の世代に命を引き継げるのは本当にごくわずか・・・。生物の宿命・・「命」というのはそういうものなのですね。少々感傷的になります。