少し前の話。丘陵公園のカタクリはかなり認知されてきています。園内には1000万は下らないであろう個体が生育しているのですが、100万株の群生する斜面が特別に取り上げられているのが個人的には少々不満があるところ。最近は大群落の景観ばかりでなく花の色の変わり者を求めておいでになるかたも多くて、特に白いカタクリはないかという問い合わせがあるのです。10万株に1個体ともいわれるのですが、それほど多くはないにしても個人的には歩いている範囲では30個体くらいは見ています。毎年発生する個体もありますが、あったはずが消失してしまっているのもあり増加しているわけではありません。保護をしたいのは山々ではあっても掘り上げるなどというのは至難の業でそのままそっとしておくのが現状です。公に知らしめると盗掘ということもありますから安易にできません。展示したい気持ちとの板挟みです。
ネコノメソウはまとまって生育すると黄緑色の美しい花群落になります。湿地環境でときどき大きな群落を目にするのですが、これをコンスタントに毎年維持するのが実に難しい。消失することはないのですが、結構気まぐれであちこちに飛び火して思いもかけないところに群落を作ります。多年草ではありながら毎年同じところに同じような生育をしないというのが面白い習性だと感じています。おそらく他の種の影響があるのではないかと考えていますが、あるいは自らの種を維持するのに同じところにとどまらない方が有利なのかもしれません。