森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオイワカガミ群落①

2015年05月19日 | 自然観察日記
長岡では見慣れているものの中に全国的に誇れるものがいくつもあります。オオイワカガミもそのうちの一つではないでしょうか。丘陵公園の雑木林を散策すれば至る所に群落を作っていて春の花の季節はうっとりするほどのあでやかな色彩で林床を覆い尽くしています。イワカガミの日本海側の変種とされています。葉の大きさと光沢、花数の多さはこの種の大きな魅力で20を超す花を持つ個体もときどきあります。見事というほかありません。

オオイワカガミの群落②

2015年05月19日 | 自然観察日記
花の色は純白のものから濃い桃色のものまでほぼ連続しています。雑木林の水はけのいい斜面に群落を作っていて、すぐ上を覆う低木があまりない場所を好むようですが、これを意図して林内を整備してみるとなかなか花をつけてくれません。褐斑病という厄介な病気に侵されるものも多くて、手を加えると逆に衰退するという感じさえします。技術が至らないのですが、この種を機嫌よく生育させるには大変難しいと感じています。何もしないで放置しておくのが最も良いとは・・・。来園者にこの花の素晴らしさを身近なところで展示したいと思いつつ試行錯誤をしています。

オオイワカガミの花

2015年05月19日 | 自然観察日記
イワカガミは亜高山の岩場などで見られるとされ、イワカガミの仲間は概して高山種です。唯一オオイワカガミが日本海側の里山にも生育するという構図です。ふと思ったことに、クルマユリは一般的には高山植物にされていますが、この種も日本海側の低山にも普通の自生していますが、日本海和賀の環境と植物の分布ということに関して何かしらの法則めいたものがあるのかもしれません。