森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ユキグニミツバツツジ

2015年05月26日 | 自然観察日記
ミツバツツジの中で主に日本海側に生育しているものです。葉がかなり展開していて花はそろそろ終わりに近いのでしょうが、まだまだ十分鑑賞に堪える状態。急峻な岩場付近にかなりの個体が自生していました。

ユキグニミツバツツジの花

2015年05月26日 | 自然観察日記
ミツバツツジの仲間は各地にさまざまな種が生育していて正確な種を理解するにはなかなか厄介なグループです。雄しべが10本で花柱が無毛などといっても一見して判別できる特徴でもありません。県内に自生しているミツバツツジには他のものがあるような話を聞いていませんから、三つ葉のツツジを見かけたらすべてユキグニミツバツツジで通しておきます。
ただ、分かったことには群馬など関東圏に生育するトウゴクミツバツツジとは明らかに開花するタイミングが異なっています。ユキグニミツバツツジの方は10日くらいは差があるようで、遅く咲きだします。

ユキグニミツバツツジの分布について

2015年05月26日 | 自然観察日記
昨日のラショウモンカズラとは異なり、県内のユキグニミツバツツジの分布はほぼ全域にまんべんなく見らせます。丘陵公園の浅い里山から、魚沼の奥深い渓谷にも自生しています。特に偏りがあるようぬは見えませんが、佐渡には分布していません。こういう種による分布の差はどのようにして生じているのか推理するのはとても楽しいことです。地殻の変動と種の広がりは重要な関連がありますが、それと同時に種の発生と進出してきたタイミングが重要な要因になるのでしょうか。種独特な繁殖の能力、環境への適応能力なども考える必要もあります。