とても綺麗な花なのですが名前が妙にそぐわない気がしていて、この世界に入った時から人の想像力の面白さといいますか豊かさに感心したものです。羅生門で切り落とされた鬼の腕に似ているとされることから付いた名だそうです。シソ科の多年草でつるを出し這って広がります。花の季節に花茎を伸ばし数個の花をつけます。低い草むらから青い花の房が点々とある様はなかなか素敵な景観です。
資料によれば、ラショウモンカズラは本州から九州まで日本に広く分布し大陸まであるそうです。どこにでもありそうな話になるのですが、こと新潟県の分布はとても奇妙なのです。自生している場所は弥彦山塊、阿賀野川沿い、そして後は県境の脊梁山脈に沿って深山に点々と生育しているという構図になっています。比較的里地に近い場所には見られず、県北から県南までの県境のほぼ全域、これに沿って深山の渓谷での採集記録があります。佐渡にもわずかな記録があるのですが、納得のいく説明がつかない現象ですね。