森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ラショウモンカズラ

2015年05月25日 | 自然観察日記
ちょうどラショウモンカズラの花の時期で登山道の各所に美しい花が見られました。登り口付近から沢沿いに自生していて、湿度が多い環境を好むことを伺わせます。乾燥する尾根になるとみられません。

ラショウモンカズラの花

2015年05月25日 | 自然観察日記
とても綺麗な花なのですが名前が妙にそぐわない気がしていて、この世界に入った時から人の想像力の面白さといいますか豊かさに感心したものです。羅生門で切り落とされた鬼の腕に似ているとされることから付いた名だそうです。シソ科の多年草でつるを出し這って広がります。花の季節に花茎を伸ばし数個の花をつけます。低い草むらから青い花の房が点々とある様はなかなか素敵な景観です。

ラショウモンカズラの分布について

2015年05月25日 | 自然観察日記
資料によれば、ラショウモンカズラは本州から九州まで日本に広く分布し大陸まであるそうです。どこにでもありそうな話になるのですが、こと新潟県の分布はとても奇妙なのです。自生している場所は弥彦山塊、阿賀野川沿い、そして後は県境の脊梁山脈に沿って深山に点々と生育しているという構図になっています。比較的里地に近い場所には見られず、県北から県南までの県境のほぼ全域、これに沿って深山の渓谷での採集記録があります。佐渡にもわずかな記録があるのですが、納得のいく説明がつかない現象ですね。