越後丘陵公園の秋の草花を取り上げます。今回は水草シリーズ。最初はトチカガミです。私がここに来たときには見られなかった種ですが、5年前の国の整備工事の中で移入されてきたものです。専門家によってランドスケ―プという湿地のデザインを受けて改造されそれに伴っていくつかの自生種ではないものを植栽されたました。トチカガミはその中には入っていませんでしたが、植栽した種に混じって入って来たようです。もっとも、ずっと以前には越後のどの小川や水田周りには普通に生育していたはずですから復元したといえばいいのでしょうか。
葉は水面に浮いて根も水中でぶら下がります。あまり土の中には入りこまない浮葉性の水草です。盛夏には繁殖力が旺盛で盛り上がってくることがあります。花は白い三弁の花でこれだけ見ていればなかなかかわいいものです。
ここはもともとアサザを植栽した池ですがアサザも生育はしているもののそれを上回る勢いで繁茂しアサザを覆いつくします。白い花が咲いている池は一度トチカガミを除去して3週間ほどしたときの景観です。除去しきれない個体からまた繁茂しているのです。アサザの花は少し張るのですが秋の盛期にはまだでようやくつぼみができているころ。実はトチカガミも絶滅危惧種です。しかし、ここでは繁茂し過ぎて駆除の対象になっています。多くの水草がそうであるように、水があり光があり栄養がありさらに好む水温になれば恐ろしいほど増殖をするのです。