森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

里山の水草⑤ ミズオオバコ

2016年10月13日 | 自然観察日記
これまでとりあげた水草はすべて絶滅危惧種になっている種です。9月から10月はこれらの絶滅危惧種の花がみられる季節ですから、とても貴重な時期といえます。ミズオオバコは水中葉しかありませんから水面を覆う草がはびこるとその存在がわかりません。しかし、花の時期になるとぽつぽつと顔を出しますからその存在に気づきます。しかし、最近はトチカガミの繁茂がひどすぎて、やや薄暗い橋の下など生育する場所が限られています。

ミズオオバコの花

2016年10月13日 | 自然観察日記
ミズオオバコの花は白色から薄い桃色。白い花はトチカガミと同じように見えますから、遠くで見ていると区別がつきません。しかし、近くで見るとなかなか気品のある花で印象は上位クラス。花は8月以降に咲き10月までみられます。水中葉しかない植物ですから性質は陰性植物的なのでしょう。水中に広がる葉は水深があればかなり大きくなり1ⅿ近くになったこともありました。

橋の下に広がるミズオオバコの群落

2016年10月13日 | 自然観察日記
やや薄暗いトチカガミなど陽性の水草が生育しずらい場所にミズオオバコの小さな群落ができています。浮葉性のトチカガミなどを除去してミズオオバコだけの群落を作ろうとするとこんどはマツモやイトモなどが繁茂してなかなかうまく行きません。水草の管理は難しいですね。