枯木又のあがりこのブナ林へ通ずる遊歩道にコウライテンナンショウが目立ちました。1m近い個体も散見されかなり密度が高い場所でした。別名マムシグサ。柄の文様がマムシを連想させるとされるまだら模様。毛ぎらう人が多い可愛そうな種です。食べるわけにはいきませんが、触ったくらいで特に毒があるわけではありません。
この仲間の面白いところは性転換をするという性質があることでしょうか。小さな個体はすべて雄株。成長すると雌株になります。その見分けは仏炎苞を壊して中の花を見ればわかるのですが、それでは可哀想です。壊さなくても外のこの穴を見ると雄雌の判別ができます。これくらいの穴は雌株。雄株はもっと大きな穴が開いています。理由は雄株に入った花粉媒介の虫(ハエの仲間が多い?)が花粉まみれになってこの穴から出てこれるように大きく開口していますが、雌花は花粉まみれになった虫を外に出さないように花がふさがるのです。完璧にふさがるというのはないかもしれませんがかなり狭まって虫が出てこれなくしているようです。確実に受粉させるための戦略です。凄い!