淡い色の葉を展開させているクロマメノキ。その葉と区別が付けにくいような花を一緒に咲かせています。高山の種は葉と花が同時というのが多い気がします。短い生育適期のためでしょうか、クロマメノキもそういう性質を持った種です。開花結実後は果実を熟させ種子を散布する必要があるわけで、高山帯では十分な時間があるわけではありません。
見事な坪型の花で下からのぞいても内部の様子がよくわかりません。ミネズオウの花は上を向いて咲くのに対して多くの高山に住むツツジ科の低木の花は下向きに花を咲かせます。クロマメノキもその仲間の花で、さらに口を絞り込んだ坪型の花。おそらく雨の対策に徹しているのでしょう。ここを訪れる昆虫は狭い入口を通り抜けなければなりません。