森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミネズオウ

2017年07月12日 | 自然観察日記
今回の西吾妻連邦への山旅の個人的な目的は長年思い描いていたミネズオウの花をこの目で見ることでした。高山帯に行けばほとんどのところにミネズオウが生育していたように思いますが、夏山の登山ではいつもツガザクラに似た葉をつけ、褐色の蒴果をつけているものを見るだけで花を見たことがなかったのです。6月下旬と言っても今年はやや気温が低いのか残雪が多いように思いました。天元台のゴンドラ・リフトを乗り継いで歩き始めて、周囲に見る花が早春の花。ミネズオウは早く咲きだすといわれているのですが、なんとなく不安を抱きながらの登りです。

ミネズオウの群落

2017年07月12日 | 自然観察日記
カモシカ展望台から大凹が見渡せる木道まで期待しながら歩いてもミネズオウらしきものが全く目に留まりません。実はこの時人を案内していたのですが、期待を持たせていましたからミネズオウの姿がないので内心焦りを感じていました。人形石の手前まで来ると木道から離れたところになにやら白く見える塊があって、遠目で観察するとミネズオウでした。「ヤッター!」と内心大喜び。少し諦めかけていたのに逆転満塁ホームランの心地。でも、少々遠すぎます。

ミネズオウの花

2017年07月12日 | 自然観察日記
遠くばかり探していたら足元にもありました。人形石につくとここはまさにミネズオウの花盛りで、至る所に咲いています。一つのピークですから雪消えも早く日差しもあったのでしょう岩場の隙間にはミネズオウの花が沢山咲いていて何とも言えない幸せな気分になったものです。

ミネズオウの花 拡大

2017年07月12日 | 自然観察日記
ミネズオウはツツジ科の種。あまりツツジ科の花とも思えないのですが高山に咲く小さな木本です。坪型の花を持つツツジ科の種は普通下向きに咲きますが、ミネズオウは上を向いて咲く変わった性質があります。なぜなのでしょうね。ツツジ科に分類される高山種は草なのか気なのか判然としないようなものが多く興味深いものです。厳しい環境に適応した植物の姿を観察するには高山帯のツツジ科はよい教材です。

赤いミネズオウの花

2017年07月12日 | 自然観察日記
ミネズオウの花色も個性があるようで、赤みの強い株がありました。ていねいに探せばいろいろな色具合のものがあるような気がします。どれもこれも可愛くきれいな花でした。