高山植物でも人気の高いサンカヨウです。この個体は葉も花も開いている状態でしたが、ほとんどの株は芽が出たばかり。芽が出たばかりと言ってもサンカヨウは花を咲かせながら葉を展開する面白い性質の持ち主ですから芽出しの状態を見て、それがサンカヨウと正確にわかる人がいませんでした。サンカヨウの花の咲きだしは早い方で、花を見る危機が比較的少ないのですが、この時期はもっと早めのタイミングでしたからいい勉強になりました。
もっと早い段階はこの白い花もないすりこ木状のものナノですが、そこからいきなり白い花を開花させ、やや遅れて葉は展開してくるという性質があるのです。こういう姿を目にするには残雪が多い6月の高山に行かなくてはならないのです。なかなか神秘的な姿ではありませんか。
サンカヨウの花弁は濡れていると向こうが透けるような状態になります。乾くと復元するのですがこういう性質も不思議なものですね。夏場は青い実が熟し少しだけジューシーな果実になりますから、疲れた山歩きの祭の元気づけとして一粒二粒口に含みます。