森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カラマツソウ 花

2012年08月23日 | 自然観察日記
大型草本の一つにカラマツソウがあります。大きな群落というのではありませんが、点々と白い目立つ花を見せています。花弁はなくがくは早落性で目立つのは雄しべです。秋口になると黄色のアキカラマツが咲き出しますが、白い花はカラマツソウでこの花が見られるのは夏。季節を知る指標にいいかもしれません。

カラマツソウ 葉

2012年08月23日 | 自然観察日記
カラマツソウもいくつかの種類があって花だけでは難しいものがあります。栄養の悪い個体もありますから大きい小さいでは区別の決め手にはなりませんね。そうなると葉など他の形態で判断する必要があります。小葉が3裂します。

イブキジャコウソウ

2012年08月22日 | 自然観察日記
菅平の草地の一角にイブキジャコウソウが比較的大形の草本に混じって花をつけていました。あまり見かけない光景で、ちょっと意表を疲れました。今まではイブキジャコウソウを見ると樹はガレ場の岩や礫がごろごろしている場所が相場でした。こういう草原でも生きているのだなぁと感心するとともに、大型草本に覆われ気味であまり居心地はよさそうではありません。それでも栄養環境はいいようで見慣れた小柄の草(木)姿ではなく別種かと思われるほどの大型に変身です。

イブキジャコウソウ 花

2012年08月22日 | 自然観察日記
シソ科の花であることは近づいてみるとわかりますが、シソ科の種としてはちょっと異質の存在です。木本のシソ科は日本にはこの種以外にはないのではないでしょうか。草本と思いきや、触ってみると分かりますがれっきとした低木です。地に這って生育するのですが、ここでは背の高い草が多いので上に向かって成長しているようですね。
「ジャコウ」という名まで付いているわけですから、傷を付けてみるといい香りがします。ハーブの多いシソ科ですから、この点でも納得がいくかもしれません。ガーデニングで利用される「タイム」は洋種のジャコウソウのようです。

ギンリョウソウ

2012年08月21日 | 自然観察日記
夏場ときどき目にするギンリョウソウです。腐植の多い林床に発生します。「これも高等植物」と説明すると驚かれる方も多くて、一般の人にとっては常識を逸脱した花です。寄生植物ではなく腐生植物。生物由来の有機物を分解して生きているわけですから、キノコ類と同じ生態的地位にあります。こういう視点で見ると植物の世界も千差万別で進化の面白さを感じます。食虫植物のように動物(昆虫)から栄養を摂取するなどというものもあるわけですから、植物=独立栄養生物とはいえません。

シャクジョウソウ

2012年08月21日 | 自然観察日記
ギンリョウソウが出ている脇にはシャクジョウソウがありました。こんな近いところで2種が揃い踏みとは・・、観察には絶好の機会です。ギンリョウソウと同じく腐生植物ですが、花は細身で小さく色も黄色実を帯びています。うつむき加減のときはつぼみのときで、配架する頃は上向きになってきます。上向きになるに従って汚れが目立ち、結実するとまもなく茎は黒く枯れ崩れ落ちますから、写真にして美しいのはつぼみの頃。それでシャクジョウソウの写真はうつむき状態で紹介されることが多いのです。ついついその形が本来の形かと錯覚することになりますね。

キバナノカワラマツバ

2012年08月20日 | 自然観察日記
カワラマツバが低地に多い(結構高山にもある)のに対して、高所の草原などで見かけます。低地では見たことがないので寒地適応した首都考えたほうがいいですね。おびただしい数の花をつけていて級蜜に来る昆虫はどの花にとまってよいのやら迷うのではないでしょうか。風によって花粉媒介をしたほうが効率的な雰囲気です。アカネ科の種でヤエムグラなどと近縁ですが、比較的大形の草本でしっかり自立しています。

ニガイチゴ 実

2012年08月19日 | 自然観察日記
春、三条の下田地内で見たニガイチゴです。分布が限られていて三条の下田のものはむしろ注目されるべきものですね。赤い実が出来ていましたから早速味わってみました。名前のとおり「苦い苺」でした。我慢できないわけではありませんがおいしくありません。実は綺麗でおいしそうなのに「ベリー」としては失格です。

ヤマオダマキ

2012年08月18日 | 自然観察日記
キンポウゲ科の花は形態がユニークなものが多いのですが、オダマキもそのうちの一つです。野生種ですが庭でオダマキの仲間が栽培されているのをよく見かけますから山で会ってもあまり強い感動を覚えません。山地のやや日陰の場所で時々見かけます。群生していることはないようです。少なくとも私は見たことがないですね。

ヤマオダマキ 花

2012年08月18日 | 自然観察日記
糸をつむぐ道具から「オダマキ」という言葉がでているといいますが、どんな道具かはあい知識がありません。長い距の先には蜜があるのでしょうか、蝶などの長い口吻を持っている昆虫をターゲットに進化した形態のように思います。

キバナノヤマオダマキ

2012年08月18日 | 自然観察日記
ガク片や距が黄色のものをキバナノヤマオダマキというのだそうです。ヤマオダマキはやや赤味がありますから、違うといえばいえますが菅平では両種を目にしました。両種のほかの差異はあまり気づきません。

ヤマハハコ

2012年08月17日 | 自然観察日記
菅平の高原ではごく普通ですが、これも低地にはない種ですね。低地のハハコグサ、チチコグサの山地種というところです。いわゆる高山までは進出していません。高原の草地ややや荒れ地にまとまって生えているようです。