森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カモシカの食痕?

2013年03月26日 | 自然観察日記
チマキザサの食害された個体が雪解けの尾根筋に点々とありました。食いちぎられている位置が地上50cm位ですから、かなりの大型の動物でしょう。丘陵公園で可能性のある動物はカモシカかニホンジカ。最近ニホンジカの目撃情報は耳にしませんし、集団行動をとるためカモシカの食痕と考える方が可能性が高いですね。

巻き付いた蔓を飲み込むエゴノキ ①

2013年03月25日 | 自然観察日記
長岡の西山丘陵はエゴノキも多い樹種です。春におびただしい数の白い花を咲かせ圧巻ですね。エゴノキは伐採された2次林に多いため、クズやフジなどのつる植物と競合します。しばしば巻き付かれて樹が変形して育っていますね。今回はアケビのつるに巻き付かれてそれを飲み込んでいるエゴノキに出会いました。アケビはフジなどとは違い幹を強く巻くケースが多くなく肥大する速度も速くないのでエゴノキの幹の肥大成長を著しく妨げないのがこんな造形を作ったのでしょう。今度はエゴノキがアケビを締め付ける番になりました。

巻き付いた蔓を飲み込むエゴノキ ②

2013年03月25日 | 自然観察日記
いまのところ両者は健全な状態です。アケビの蔓はそれほど肥大成長をしませんから、エゴノキに完全に飲み込まれるようなことが起こるかもしれません。今後の展開がおもしろいですね。

クズとウサギの関係 ①

2013年03月24日 | 自然観察日記
残雪期、里山を歩いているとクズに巻き付かれそのために樹勢が衰えさらに雪がのしかかったのでしょう、幹折れや枝折れをした雑木が目につきます。クズの繁茂がひどいと雑木林が消滅するのではないかと危惧されます。これはクズに取りつかれたコナラの樹で倒木も時間の問題でしょうね。ナラ枯れ病だけでないコナラの試練があります。

クズとウサギの関係 ② ノウサギの食痕 

2013年03月24日 | 自然観察日記
しかし、長い間継続している自然はバランスが働いて抑制するものが存在しています。ここではウサギですね。雪に覆われてしまった冬の食事情がウサギをしてクズの樹皮を食べるという行為に走らせているようです。タラノキとクズが雪国の冬の主要な食材の樹がします。これはウサギに食べられたクズの若い蔓。こうなるとこのクズの蔓は枯死し根元から再び芽を伸ばさなければなりません。ところどころすべての蔓が食いちぎられてまうこともあります。しかし、クズは日当たりさえよければ萌芽力は強いですから春には再び繁茂します。この頃になるとクズの樹皮よりおいしい?草が沢山出てきますからウサギの食害には会いません。

クズとウサギの関係 ③ ウサギのフン

2013年03月24日 | 自然観察日記
雪の上はウサギにとっても移動しやすいものです。そして、食料となるクズの蔓は雪の上に伸びだしていますからとても見つけやすいものですね。クズが沢山あるところには多くのウサギがいたのかたくさんのフンが残されています。ウサギの住処が保障さている環境ならクズの繁茂も抑制的に働くと考えられますからクズが大暴れして雑木林を枯損させることはないのかもしれません。増えすぎたウサギはまた別の問題を引き起こすでしょうが、雑木林とクズの関係ではウサギの存在は重要です。生態系というのは面白いですね。

キハダ葉痕

2013年03月23日 | 自然観察日記
カラスザンショウもキハダもミカン科の種でともに独特の香りがあります。カラスザンショウがウサギに食べられているのにキハダの皮を剥いだ跡がありません。ミカンの仲間で香り的には同じようでもキハダが持つ強烈な苦みのせいでウサギは敬遠しているのでしょうか。キハダの葉痕は「だんご鼻」が特徴です。

タラノキの葉痕

2013年03月23日 | 自然観察日記
タラノキの葉痕は「口裂け女」かな・・と私は話をします。ウサギの冬の重要な食材で沢山の棘で防御していても効果がないみたいですね。タラノキは繁殖力旺盛で「里」と「山」の境にたくさん見られます。適度に人の影響が必要で、長い年月放置される場所ではやがて他の植物との競争に負けて枯死します。ウサギはタラノキが生育するところに生活の中心をおくように見られますから、「里」と「山」の隣接するエリアの生き物と考えています。

ハンノキ

2013年03月22日 | 自然観察日記
里山はまだまだ冬。雪が多量にあります。スギ花粉が世間をにぎわしていますが、この季節ハンノキも花の季節で長い雄花は赤く色づいています。スギほど量が多くないので気にもされませんが見た限りでは1本の樹がつくる花粉量は相当なものだと思います。

ハンノキの球果

2013年03月22日 | 自然観察日記
この季節、ハンノキに目立つものが昨年の果実。もうすでに種子をこぼした後ですから、果実の残骸ということになります。小さな雌花が受粉後成熟するとこうなるのです。

カラスザンショウの葉痕

2013年03月21日 | 自然観察日記
カラスザンショウがありました。2mほどの幼木でこの里山では今回が初めての確認です。どこかに大木があるのか種子が運ばれて発芽したのでしょう。発芽して2~3年といったところでしょうか。葉痕が面白いですね。オニグルミに負けていません。いい表情をしています。

カラスザンショウの食害

2013年03月21日 | 自然観察日記
このカラスザンショウ、2mほどの残雪の上に数十cmほど枝が出ていたのですが、そこはご覧のとおりウサギの食害にあっていました。この様子ではかなり下の芽を使って成長しなければならなくなっています。カラスザンショウは珍しいものではないのですが、公園の里山フィr-ルドミュージアム内ではここが唯一の確認場所。サンプルとして保存しておきたいという思惑がありますから、ウサギの食害をどう防ぎましょうか・・。傍には大好物のタラノキが何本もあるのですから、それを食べてほしいところです。