すでにクロサンショウウオが産卵していました。森の葉の下などで冬を越していたクロサンショウウオは残雪があるにも関わらずこういう池に現れるのです。おそらくこの池の水底にまだ親はいるのでしょうがこの日は確認できませんでした。ここに産卵した個体はこの後再び休眠するのだということです。気の早い個体ですね。中には雪が消えて5月になって産卵するものもいるのですが・・。
クロサンショウウオが産卵を始めた池には青々とした草が目につきます。セリです。水中はそれでも暖かで、光がさしてきますからもう成長には十分な条件が整っているようです。雪が消える頃にはここはセリ畑になることでしょう。
陽気に誘われて弥彦山塊を散策しました。まだ尾根には雪がありますが、山麓は早くもカタクリの花が咲いています。今年の初物です。ひょっとしたら県内で最初の確認かもしれません。ニュースでは桜の開花が予想を超えて早くなっているとのこと。新潟は桜の前にまずオオミスミソウ(雪割草)とカタクリでしょう!待ちに待った春が来たことをカタクリの花を見て実感しています。うれしいですね。
弥彦山塊はなかなか面白い山塊です。かつて海に囲まれていた島であったとされて、植物の分布は南方系や北方系など興味深いものがあります。一部は手つかずの部分があるかもしれませんが私が動く範囲はすべて人の作用が加わっているようです。この森も過去に伐採された跡が色濃く残っていますね。林床はアカメガシワやエノキ・コナラ・ケヤキなど明るい雑木林です。
この場所のカタクリの密度は低いですね。まだ目立たないのかもしれませんが、昨年歩いた角田山の足の踏み場もない状態とははいかないようです。
魚沼の積雪は昨年を大きく越しているのにこの弥彦山塊はむしろ昨年より少なく、このところの暖かさで一気に春が進んでいるようでした。とりあえずカタクリの開花の速報をして、後日このつづきを行います。
魚沼の積雪は昨年を大きく越しているのにこの弥彦山塊はむしろ昨年より少なく、このところの暖かさで一気に春が進んでいるようでした。とりあえずカタクリの開花の速報をして、後日このつづきを行います。
雪が消えて春になれば越後でも畑の脇や田の畔などにも普通にあるホトケノザです。しかし、今年初めて見る絨毯状の赤紫色の景色はいいものです。ちょうどお日様が当たっていて絵になっていました。秋に発芽し春に花を咲かせ結実し終わるといういわゆる越年草という生態をしています。
マンサクに赤い花があるのですが、ここまで赤い花でなおかつ大きな木は初めてです。マンサクなのかマルバマンサクなのかははっきりしません。越後の丘陵公園の一角に赤い花のマルバマンサクが自生しています。「赤」といってもこの個体のような真っ赤というのでなく「赤っぽい」という程度で芯の方は黄色みがかかります。どんな植物にも花の色の変化はあるもので、自生地をくまなく探すと掘り出し物があったのだそうです。自然界に時に生ずる逸品は富を生む存在で積極的に園芸化されたのだと聞きます。このアカバナマンサクもそういう類いのものなのか群馬の公園の一角にありました。
少し離れてマンサクです。マルバマンサクでなくマンサクです。マンサクという種は三国峠で学びました。日本海側低山にはマルバマンサクという低木から亜高木の種が自生していますが、群馬県境の三国峠には群馬側から進出してきたマンサクがあるのです。マルバマンサクもあったようですがあまり多くななかったかという記憶です。こと細かく調べていくとそれぞれの種の生き様というか生態というものの奥深さを感じてしまいます。実際はわからないことがいっぱいある中で断定的に言っていることに疑問を持つことがありますね。
ザゼンソウがありました。杉林の小川沿いの湿り気の強い場所です。自生している場所は限られていますから見物客もそこそこおられます。保護のために木道がつくられているため、臭いをかごうとしても適当な個体がありません。何とか見つけて確認しましたが時間が早かったのか、あの独特な臭いはかすかです。仏炎苞の大きさがなんとなく小ぶりな気がしました。新潟で時々見る個体に比べ小型の種なのでしょうか。
ザゼンソウの花はこの一つ一つの黄色のぶつぶつです。花弁はなく雄しべと雌しべからなるものです。といっても黄色の粉状のものは花粉ですから雄しべの存在はわかるものの雌しべがあるのかどうか肉眼ではわかりませんね。ものの本では雌しべが熟した後に雄しべが熟すとなっていたような記憶があるので、雌しべが熟していてまだ花粉が出ていない個体はないかと探しましたが確認できませんでした。
ザゼンソウの花はこの一つ一つの黄色のぶつぶつです。花弁はなく雄しべと雌しべからなるものです。といっても黄色の粉状のものは花粉ですから雄しべの存在はわかるものの雌しべがあるのかどうか肉眼ではわかりませんね。ものの本では雌しべが熟した後に雄しべが熟すとなっていたような記憶があるので、雌しべが熟していてまだ花粉が出ていない個体はないかと探しましたが確認できませんでした。